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2025/09/22 08:53

下値の堅い展開か、米中関係の改善期待が支えに 無料記事

◆週明け22日の香港マーケットは、米中関係の改善期待で下値の堅い展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は安定的。米中関係の改善期待が高まっている。ショート動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の米国事業売却を巡り、トランプ米大統領と習近平・国家主席は19日に電話会談を行った。TikTokの米事業売却について、習氏は「中国政府は企業の希望を尊重する」とコメント。トランプ氏は売却承認に謝意を示している。また、各種報道によると、習氏は「中国と米国は共に第2次世界大戦を戦った盟友だ」と語り、トランプ氏は中国が開催した抗日戦争勝利80年を記念する軍事パレードを「非常に素晴らしかった」と称賛した。トランプ氏は自身のSNSに、今年10月末に韓国で開かれるAPEC(アジア太平洋経済協力会議)で習氏と対面での会談を行うことで合意したと投稿している。
 19日の米株市場は、主要指標のNYダウが前日比0.4%高と3日続伸し、前日に続き史上最高値を更新。ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.7%高と続伸し、2日続けて最高値を更新した。ほか、機関投資家がベンチマークとして重視するS&P500指数が0.5%上昇し、2日連続で最高値を切り上げている。米連邦準備理事会(FRB)が17日に利下げ再開を決定し、年内2回の会合でも利下げを実施するとの見通しが引き続き相場の押し上げ要因となった。米中が対話を継続するとの観測も支えとなっている。
 半面、中国銘柄はさえない。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は0.3%安と続落している。主要な香港との重複上場銘柄では、禾賽科技(ヘサイ・グループ:HSAI/NASDAQ、2525/HK)が2.0%安、理想汽車(リ・オート:LI/NASDAQ、2015/HK)が1.2%安、新東方教育科技集団(EDU/NYSE、9901/HK)が1.2%安と下げが目立った。
 一方、中国では本日朝方(日本時間10時ごろ)、実質的な政策金利となる9月の最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」が発表される予定。市場コンセンサスでは銀行貸出の指標となる1年物LPRが3.00%、住宅ローン金利の指標となる5年物LPRが3.50%と4カ月連続で据え置かれる見通しだ。米国が利下げ再開に踏み切ったにもかかわらず、中国人民銀行(中央銀行)が18日に実施した公開市場操作(オペ)では、7日物リバースレポ金利が据え置かれている。市場関係者の間では、今年後半に金融緩和が実施されるとの見方が根強いが、人民銀は利下げを急がない構えだ。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として下値の堅い展開か。中国の金融政策動向は重しとなりそうだが、米中関係の改善期待が支援材料となりそうだ。


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