2025/11/14 09:08
神経質な値動きか、中国指標を注視 
◆14日の香港マーケットは、中国経済指標をにらみながら神経質な値動きか。(亜州リサーチ編集部)
外部環境はややネガティブ。米金融政策が不透明だ。米金融当局者が相次ぎ追加利下げに慎重な発言をしている。米セントルイス地区連銀のムサレム総裁は13日、連邦準備理事会(FRB)の現行政策は中立的だとして、緩和余地が限られていると発言。米ミネアポリス地区連銀のカシュカリ総裁は同日、米連邦準備理事会(FRB)が10月に決定した0.25%利下げを支持していなかったことを明らかにした。過去最長となった米政府機関の一部閉鎖が解除され、米経済の下押し圧力が薄らいだことはプラスだが、政府機関閉鎖で見送られていた雇用や物価など金融政策に影響を与える指標発表の遅れや精度の低下も不安視されている。
13日の米株市場は、主要指標のNYダウが前日比1.7%安と5日ぶりに反落した。政府機関閉鎖の解除を見越し、連日で史上最高値を更新した後とあって、いったん利益確定売りが優勢となっている。人工知能(AI)産業の過大投資を警戒するハイテク売りも継続。ナスダック指数が2.3%安と3日続落した。米株市場の不安心理を表すVIX(20を超えると不安心理が高まった状態とされる通称「恐怖指数」)は20.00に達し、前日比で14.2%上昇。約1カ月ぶりの高水準を付けた。
中国銘柄もさえない。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は1.6%安と3日続落している。主要な香港との重複上場銘柄では、小馬智行(ポニーAI::PONY/NASDAQ、2026/HK)が8.3%安、文遠知行(ウィーライド:WRD/NASDAQ、800/HK)が8.2%安、禾賽科技(ヘサイ・グループ:HSAI/NASDAQ、2525/HK)が7.7%安、百度(バイドゥ:BIDU/NASDAQ、9888/HK)が6.4%安と下げが目立った。
内部環境にも気がかり材料がある。中国ではきょう14日、10月の小売売上高や鉱工業生産、1〜10月の不動産開発投資などが公表される。市場コンセンサスでは、前月実績を下回る見通しだ。一方、昨日発表された10月の金融統計では、人民元建て新規融資額が予想を大幅に下回り、マネーサプライ(通貨供給量)M2の伸びは予想をわずかに上回ったものの、前月からは減速している。
なお、前日報告された主力テック企業の7〜9月決算では、騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)が19%増益、京東集団(JDドットコム:9618/HK)が55%減益、中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が29%増益という結果。テンセントとJDは予想を上回ったが、SMICは下振れた。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。中国指標を見極めたいとするスタンスが強まりそうだ。また、米中で金融緩和に対する楽観見通しがやや後退していることも不安材料となる。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
外部環境はややネガティブ。米金融政策が不透明だ。米金融当局者が相次ぎ追加利下げに慎重な発言をしている。米セントルイス地区連銀のムサレム総裁は13日、連邦準備理事会(FRB)の現行政策は中立的だとして、緩和余地が限られていると発言。米ミネアポリス地区連銀のカシュカリ総裁は同日、米連邦準備理事会(FRB)が10月に決定した0.25%利下げを支持していなかったことを明らかにした。過去最長となった米政府機関の一部閉鎖が解除され、米経済の下押し圧力が薄らいだことはプラスだが、政府機関閉鎖で見送られていた雇用や物価など金融政策に影響を与える指標発表の遅れや精度の低下も不安視されている。
13日の米株市場は、主要指標のNYダウが前日比1.7%安と5日ぶりに反落した。政府機関閉鎖の解除を見越し、連日で史上最高値を更新した後とあって、いったん利益確定売りが優勢となっている。人工知能(AI)産業の過大投資を警戒するハイテク売りも継続。ナスダック指数が2.3%安と3日続落した。米株市場の不安心理を表すVIX(20を超えると不安心理が高まった状態とされる通称「恐怖指数」)は20.00に達し、前日比で14.2%上昇。約1カ月ぶりの高水準を付けた。
中国銘柄もさえない。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は1.6%安と3日続落している。主要な香港との重複上場銘柄では、小馬智行(ポニーAI::PONY/NASDAQ、2026/HK)が8.3%安、文遠知行(ウィーライド:WRD/NASDAQ、800/HK)が8.2%安、禾賽科技(ヘサイ・グループ:HSAI/NASDAQ、2525/HK)が7.7%安、百度(バイドゥ:BIDU/NASDAQ、9888/HK)が6.4%安と下げが目立った。
内部環境にも気がかり材料がある。中国ではきょう14日、10月の小売売上高や鉱工業生産、1〜10月の不動産開発投資などが公表される。市場コンセンサスでは、前月実績を下回る見通しだ。一方、昨日発表された10月の金融統計では、人民元建て新規融資額が予想を大幅に下回り、マネーサプライ(通貨供給量)M2の伸びは予想をわずかに上回ったものの、前月からは減速している。
なお、前日報告された主力テック企業の7〜9月決算では、騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)が19%増益、京東集団(JDドットコム:9618/HK)が55%減益、中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が29%増益という結果。テンセントとJDは予想を上回ったが、SMICは下振れた。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。中国指標を見極めたいとするスタンスが強まりそうだ。また、米中で金融緩和に対する楽観見通しがやや後退していることも不安材料となる。
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