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2019/11/11 09:10

上値の重い展開か、中国景気の先行きを警戒 無料記事

◆週明け11日の香港マーケットは、中国景気の先行き不安で上値の重い展開か。
 外部環境は安定的。先週末の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比0.02%高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.48%高とそろって続伸した。NYダウは連日、ナスダック指数は3日ぶりに、それぞれ史上最高値を更新している。米中追加関税を巡る米中の発表が交錯するなかで指数は安く推移していたものの、引けにかけてプラスに転じた。中国商務部は7日午後に「中国と米国の両国政府は、追加関税を段階的に相互撤廃する方針で一致した」と公表したが、トランプ米大統領は9日、「何も合意していない」と記者団に語っている。盛り上がっていた米中合意の期待に水が差された格好となったものの、市場ではなお「何らかの合意がなされる」との見方が根強く残る状況だ。
 一方、8日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が0.49%安と反落。銀行株の下げが全体相場の重しとなっている。「経営危機に直面する地方銀行が増えるなか、中国政府は中小銀行の合併・再編を進めることを検討中」と伝わり、むしろ、潜在的な金融リスクが意識された。大型銀行株が軒並み下落している。
 なお、先週末9日に報告された10月の中国物価統計では、消費者物価指数(CPI)が豚肉価格の高騰などにより予想以上に上昇。一方、生産者物価指数(PPI)は予想以上に低下している。
 香港情勢に関しては、週末のデモがさらに拡大。過激化した一部のデモ隊は10日、地下鉄駅や商業施設を破壊した。多数の参加者が拘束されている。また、9日までに民主派議員6人が起訴されたとも伝わった。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。米中通商協議の進展期待はあるものの、中国景気の先行きが懸念される状況だ。上述したように、企業活動の目安となる生産者物価指数の低下がマイナス材料となる。


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