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2019/10/21 08:58

神経質な値動きか、内外環境に不透明感 無料記事

◆週明け21日の香港マーケットは、内外環境の不透明感で神経質な値動きか。
 外部環境はややネガティブ。先週末の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比1.0%安、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.8%安とそろって反落した。悪材料が浮上した複数の銘柄が急落し、投資家心理の重しとなっている。航空機大手のボーイングは7%近く下落。新型旅客機「737MAX」に墜落事故が相次いだことに関し、飛行システムに欠陥があったことを2016年時点で認識していたとの疑いが浮上した。また、医薬品・日用品のジョンソン・エンド・ジョンソンは6%超の下落。米国で販売するベビーパウダー製品の一部に、微量の発がん性物質が検出された。ダウ平均の下げ幅255.68ドルのうち、2銘柄の下落寄与は約220米ドルに達している。
 一方、18日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が1.3%安と4日続落。米中対立激化の懸念が重しとなった。香港の反政府デモに端を発し、米下院は香港の自治を守る「香港人権・民主主義法案」を可決。中国側は猛反発し、法案が成立したら報復をする可能性を示唆した。また、取引時間中に公表された中国の経済指標では、9月の小売売上高と鉱工業生産は前月から改善したものの、市場予想の範囲内。7〜9月期GDP成長率は6.0%にとどまり、市場予想を下回った(統計開始の1992年以来で最低を記録)。景気テコ入れ強化の思惑が強まるなかで指標発表後に各指数は上げ幅を広げたものの、買いの勢いは続かなかった。
 香港情勢の不透明感も続く。「逃亡犯条例」改正案に端を発した抗議行動は20日も行われ、警察が催涙弾を発射するなど混乱に歯止めはかかっていない。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。上述したように、米株市場の下落と香港の情勢不安が重しとなりそうだ。また、主要企業の四半期決算発表が今週から本格化するため、業績動向を見極めたいとするスタンスも買い手控えにつながろう。


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