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2018/10/11 09:12

売り先行か、世界株安の連鎖を警戒 無料記事

◆11日の香港マーケットは、欧米株安の流れを継ぐ展開か。
 外部環境はネガティブ。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比3.2%安と大幅続落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が4.1%安と急反落した。NYダウの構成銘柄は、全て下落している。米長期金利の上昇を嫌気し、高PERの大型ハイテク株が売られた。米中関係の悪化懸念を受け、中国関連とされる航空機や建機、スポーツ用品などの銘柄群も急落。米財務省高官は8日、最近の人民元安を懸念していることを明らかにした。米財務省は来週発表する半期に一度の「為替報告書」で、中国を「為替操作国」に認定する可能性が指摘されている。また、米司法省は10日、産業スパイの疑いがあるとして、国家安全部(中国の情報機関)の高官を訴追したと公表した。このほか、欧州市場では、高級ブランド世界大手の仏LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンが「中国税関当局は、海外の高級ブランド品購入の取り締まりを強化している」との情報を認めて急落。米市場でも宝飾品のティファニーが10%あまり下げた。投資家心理が悪化するなか、米株市場の不安心理を表すVIX(20を超えると不安心理が高まった状態とされる通称「恐怖指数」)は、前日比でプラス44%の22.96ポイントに達している。
 一方、10日の中国本土マーケットでは、主要指標の上海総合指数が0.2%高と小幅ながら続伸。中国の政策期待が相場を支えた。国務院は9日、「運輸構造調整3年行動計画(2018〜20年)」を発表し、2020年の鉄道貨物輸送量を17年比で30%増加する目標を正式に打ち出した。インフラ投資が加速するとの思惑が強まり、鉄道建設関連の銘柄群が軒並み上昇している。
 こうした環境の下、本日の香港マーケットは全体として苦戦を強いられる展開か。中国の政策期待などはあるものの、世界株安の連鎖が懸念される状況だ。
 本土マーケットも上値の重い展開か。海外マネー流出の不安がくすぶっている。本土・香港間の株式相互取引を通じた売買では、国慶節連休明けの8日から連日で本土株の売り越しが続いている状況だ。


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