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2020/11/04 08:52

神経質な値動きか、アントIPO延期を懸念 無料記事

◆4日の香港マーケットは、アントIPOの延期を懸念し神経質な値動きか。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は良好。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比2.1%高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.9%高とそろって続伸した。米経済対策の期待が高まっている。米大統領選の投開票を迎え、結果が判明した後、速やかに景気刺激策が打ち出されるとの見方が広がった。また、野党・民主党のバイデン前副大統領が優勢と伝わる中、上院選でも民主党が過半数を確保した場合、「ねじれ解消」でより大規模な経済対策が実施されるとの思惑もある。景気敏感株を中心に幅広く買いが入った。
 他方、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:BABA/NYSE、9988/HK)のADRは8.1%安と急落。傘下の金融サービス会社、マ蟻科技集団(アント・グループ:6688/HK、688688/SH)が3日、香港・上海の新規株式公開(IPO)を延期すると発表したことが嫌気された。これより先、中国証券監督管理委員会は2日、アリババやアントの幹部を呼び出し、監督上の「指導」を行ったことを明らかにしている。一部の現地メディアによれば、当局は足元でオンライン消費者金融サービスへの監視を強化しており、今回の指導はこれに関係している可能性があるようだ。
 一方、3日の本土株市場は、主要指標の上海総合指数が1.4%高と続伸。中国の政策に対する期待感が改めて盛り上がっている。習近平国家主席は2日、自身が主宰した中央全面深化改革委員会の会議で、第14次5カ年計画(2021〜25年)の期間に中国は新しい発展段階に入るとして、一連の改革措置を的確に推進する必要性を強調した。また、10月の中国製造業PMIが上振れたことに続き、米国でも同月の製造業総合景況感指数(PMI)が予想以上に前月から上向いたことも好感されている。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。米中の景気指標改善や、経済対策に対する期待感が強まっていることは支えとなるものの、上述したように、アントのIPO延期が投資家心理を冷やす恐れがありそうだ。また、米大統領選の開票速報も気がかり材料として意識されよう。


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