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2018/07/04 08:48

下値の固い展開か、人民元安の一服が支え 無料記事

◆4日の香港マーケットは、人民元安の懸念がひとまず後退するなかで下値の固い展開か。
 外部環境は不透明。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比0.5%安、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.9%安とそろって4日ぶりに反落した。原油高を好感してエネルギー株は上昇したものの、ITハイテク関連の下げが全体相場の重しとなっている。顧客データ流出問題が拡大するとの警戒感で、フェイスブックが下落。IT関連に売りが波及した。また、米半導体大手マイクロン・テクノロジーが一時8%安と急落。特許侵害に絡み、台湾同業ユナイテッド・マイクロエレクトロニクスによる提訴を受け、中国の裁判所がマイクロンの販売に仮差し止め命令を出したことが嫌気された。市場の一部からは、米中摩擦の影響も指摘されている。また、米独立記念日の祝日(休場)を翌日に控え、この日は短縮取引。様子見ムードも漂った。
 一方、中国国内の環境は落ち着きつつある。3日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が0.4%高と反発した。中盤から買われる流れ。人民元安の進行や中国経済の成長鈍化などを不安視した売りが先行したものの、値ごろ感に着目した買いが徐々に入った(指数は2日に2.5%安と急落し、約2年4カ月ぶりの安値を付けている)。また、大株主の買い支えや外資マネーの流入は継続している――と伝えられたことも、投資家の買い安心感を誘った。
 人民元安の一服もプラス。3日の上海外国為替市場では、日中に約11カ月ぶりの元安水準(対米ドルで一時6.72人民元)を付けたが、次第に下げ渋り、前日の水準よりも元高(6.64人民元)に落ち着いた。市場関係者によれば、中国人民銀行(中央銀行)が元買い・ドル売りの為替介入を実施したもよう。人民銀の幹部は「人民元の安定を維持し、米国との通商問題で為替を武器として活用することはない」と表明した。
 こうした内外環境の下、本日の香港マーケットは全体として下値の固い展開か。米中貿易摩擦の警戒感はくすぶるものの、人民元安の一服が好感されよう。また、原油相場の上昇(昨夜のWTI原油先物は、一時3年7カ月ぶりの高値)を手がかりに、エネルギー関連が物色されそうだ。
 本土マーケットもしっかりか。香港と同様に、元安の進行にひとまず歯止めがかかったことが材料視されそうだ。


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