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2024/11/27 08:51 NEW!!

神経質な値動きか、中国指標の見極めで 無料記事

◆27日の香港マーケットは、中国指標の見極めで神経質な値動きか。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は良好。26日の米株市場は、米景気の先行き楽観が投資家心理を上向かせる展開だった。主要指標のNYダウは前日比0.3%高と5日続伸し、連日で史上最高値を更新。ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.6%高と4日続伸した。ほか、機関投資家がベンチマークとして重要視するS&P500指数が0.6%高と7日続伸し、最高値を更新している。26日午前に公表された11月の米消費者信頼感指数は予想を上回り、2023年7月以来、1年4カ月ぶりの高水準となった。次期財務長官に穏健派とされるウォール街出身のスコット氏が指名されたことも、過度な財政悪化や高インフレを防げると引き続き材料視されている。トランプ次期米大統領がカナダやメキシコ、中国に対する関税を強化すると発表し、指数は大きく下げる場面がみられたものの、米景気楽観が相場を押し上げた。市場の一部からは、「トランプ氏の関税強化発言は、通商上の取引材料にすぎない」との見方も出ている。また、午後に公開された米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨(6〜7日開催分)では、参加者が「利下げは緩やかにすることが適切」との考えを示していたことが判明。タカ派(引き締めに積極的)的な内容ではなかったことが、投資家の買い安心感につながった。
 中国銘柄はさえない。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は0.8%安と反落した。主要な香港との重複上場銘柄では、蔚来汽車(9866/HK、NIO/NYSE)が7.7%安、理想汽車(リ・オート:2015/HK、LI/NASDAQ)が2.7%安、小鵬汽車(XPEV/NYSE、9868/HK)が2.0%安、ビリビリ(9626/HK、BILI/NASDAQ)が1.7%安と下げが目立っている。
 商品相場に関しては、原油相場が0.2%安と続落する一方、金先物は0.1%安と小反発。ロンドン金属取引所(LME)では、主要産品がまちまちだった。
 内部環境はやや不透明。中国指標の発表が気がかりだ。きょう27日(日本時間10時半ごろ)に10月の工業企業利益、30日に11月の中国製造業PMI(国家統計局などが集計)と非製造業PMIが報告される。それに続き、民間集計の財新・中国製造業PMIが12月2日、財新・中国サービス業PMIが4日に発表される予定だ。工業企業利益については、9月が前年同月比で27.1%減少し、減少率は8月の17.8%から9.3ポイント拡大している。なお、26日に公表された今年1〜10月の国有企業・国有持株会社の利益総額は、前年同期比1.1%減の3兆5371億9000万人民元(約75兆2980億円)に縮小したものの、減益率は1〜9月の2.3%から1.2ポイント縮小した。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。米株高値更新などは買い材料となるものの、中国指標の内容を見極めながらの展開となりそうだ。


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