/ 詳細
検索 (期間指定)
期間
亜州リサーチFacebook公式ページ 亜州リサーチYoutube公式チャンネル

2024/08/09 08:35

買い先行か、米株の大幅反発が追い風に 無料記事

◆9日の香港マーケットは、米株高を追い風に買い先行か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は安定的。8日の米株市場は、過度な米景気懸念が後退し、投資家心理が上向く展開だった。主要指標のNYダウが前日比1.8%高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が2.9%高と急反発している。米労働市場の底堅さが確認され、米経済が景気後退(リセッション)するとの懸念も後退した。米労働省が報告した新規失業保険申請件数(週間)は予想以上に減少し、減少幅は約11カ月ぶりの大きさとなっている。先週公表された7月の米雇用統計が弱い内容となり、米景気懸念が強まっていたが、ひとまず投資家に安心感が広がった。
 中国銘柄もしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は2.8%上昇した。主要な香港との重複上場銘柄では、百度集団(バイドゥ:9888/HK、BIDU/NASDAQ)が5.5%高、蔚来汽車(9866/HK、NIO/NYSE)が4.1%高、小鵬汽車(エックスポン:9868/HK、XPEV/NYSE)が3.5%高、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK、BABA/NYSE)が3.2%高などと値を上げている。
 一方、中国では来週にかけて7月の経済指標発表が相次ぐ。きょう9日に物価統計、15日に小売売上高や鉱工業生産など、15日までに金融統計が予定されている。本日朝方(日本時間10時半ごろ)に公表される物価統計に関しては、消費者物価指数(CPI)の上昇率が前年同月比プラス0.3%(前月はプラス0.2%)、生産者物価指数(PPI)がマイナス0.9%(同マイナス0.8%)で着地するとの見通しが市場コンセンサスだ。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体としてしっかりとした展開となろう。中国物価統計には注意が必要となるものの、米株の大幅反発が追い風だ。また、中国経済対策の期待感が根強い中、政策で恩恵を受けやすい銘柄を物色する動きも継続しよう。
 なお、香港では主要な上場企業の決算報告が始まっている。前日発表した企業の動向では、中国移動(941/HK)の中間決算が5%増益、太平洋航運集団(2343/HK)が32%増益、中芯国際集成電路製造(981/HK)の4〜6月期決算が59%減益、華虹半導体(1347/HK)が92%減益だった。


内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。

関連ニュース同じカテゴリーのニュース