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2024/10/04 08:45

上値の重い展開か、中東情勢の緊迫化を警戒 無料記事

◆4日の香港マーケットは、中東情勢の不透明感で上値を重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はやや不透明。3日の米株市場は、中東情勢の緊迫化を警戒した売りが優勢となる展開だった。主要指標のNYダウが前日比0.43%安、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.03%安と小幅ながら反落している。中東情勢を巡っては、イランのミサイル攻撃を受けたイスラエルが近く、イラン石油施設を標的にするとの観測が流れた。イランは追撃するとの懸念もある。米サプライマネジメント協会(ISM)が3日に公表した9月の非製造業景況感指数が予想以上に上昇したことを手がかりに、指数はプラス圏で推移する場面がみられたものの、買いは続かなかった。また、9月の米雇用統計があす4日に発表されることも様子見ムードにつながっている。
 中国銘柄もさえない。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は2.4%安と4日ぶりに反落した。主要な香港との重複上場銘柄では、ビリビリ(9626/HK、BILI/NASDAQ)が8.8%安、蔚来汽車(9866/HK、NIO/NYSE)が7.1%安、小鵬汽車(エックスポン:9868/HK、XPEV/NYSE)が7.1%安、百度(バイドゥ:9888/HK、BIDU/NASDAQ)が5.1%安などとなっている。
 資源相場に関しては、NY商品市場でWTI原油先物が5.1%高と3日続伸し、約1カ月ぶりの高値を付け、金先物価格が反発した。ロンドン金属取引所(LME)では、主要産品が概ね下落している。
 一方、内部環境は安定的。中国人民銀行(中央銀行)など主要金融部門が24日、金融緩和などで景気を刺激するスタンスを公表して以降、投資家心理が改善している。足元では、住宅購入規制緩和を受けて、一線都市(北京、上海、深セン、広州)の不動産取引が急増し、国慶節連休中の消費支出も活発化していると伝わった。市場では、政府は近く、追加の財政出動に乗り出すとの観測も流れている。著名エコノミストの賈康氏(元財政部傘下の研究所所長)はこのほど、「中国は最大10兆人民元(約209兆円)の特別国債を発行し、大型経済対策を打ち出す余地がある」と述べた。
 こうした中、本日の香港マーケットは全体として上値の重い展開か。中東地域の地政学リスクが懸念材料となる。中国の景気刺激策に対する期待感は根強いものの、足元の連騰(2日までの6日続伸でハンセン指数は23%上昇)を受けた反動の売りも続きそうだ。


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