◆25日の香港マーケットは、中国経済対策の期待感で底堅い展開か。(亜州リサーチ編集部)
　外部環境は安定的。24日の米株市場は、内外環境の改善で買われる展開だった。主要指標のNYダウが前日比0.2％高と4日続伸し、連日で史上最高値を更新している。ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.6％高と続伸。機関投資家がベンチマークとして重要視するS&P500指数は0.3％上昇し、連日で最高値を更新した。米連邦準備理事会（FRB）の利下げ継続で、米経済がソフトランディング（軟着陸）できるとの見方が続いている。中国当局が追加の景気支援策を打ち出したこともあり、世界経済の鈍化懸念も薄らいだ。ただ、上値は重い。NYダウが連日で高値更新する中、利食い売り圧力も意識された。また、9月の米消費者信頼感指数が予想外に前月から低下。約3年ぶりの大きな低下幅となったことも逆風となった。
　中国銘柄は急伸。中国企業のADR（米国預託証券）で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数（HXC）は9.1％高と続伸した。主要な香港との重複上場銘柄では、ビリビリ（9626/HK、BILI/NASDAQ）が17.0％、京東集団(JDドットコム：9618/HK、JD:NASDAQ)が13.9％高、蔚来汽車（9866/HK、NIO/NYSE）が11.7％高、理想汽車（リ・オート：2015/HK、LI/NASDAQ）が11.4％高などと値を上げている。
　資源相場に関しては、NY商品市場でWTI原油先物が3日ぶりに反発し、金先物価格は連日で最高値を更新している。ロンドン金属取引所（LME）では、主要産品が軒並み上昇した。
　内部環境もポジティブ。中国の景気懸念がくすぶる中、当局は今年の経済成長目標（5.0％前後）達成のため、追加の景気刺激策を打ち出している。主要な金融当局が24日、共同で記者会見し、近く預金準備率を引き下げることや、既存住宅ローン金利の引き下げ、株式相場の安定策、国内6大商業銀行の資本増強など広範な景気支援策を明らかにした。
　こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として底堅い展開か。中国の景気支援策が引き続き相場の支えとなろう。ただ、前日はそれを材料に急伸していたこともあり（ハンセン指数は4.1％高で4カ月ぶり高値、上海総合指数は4.2％高で1カ月ぶり高値）、買い一巡後は利食い売りが出る可能性もありそうだ。


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