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2024/11/06 08:44

しっかりか、米中で景況感が改善 無料記事

◆6日の香港マーケットは、米中の景況感改善でしっかりか。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は安定的。5日の米株市場は、米景気の先行き楽観で買われる展開だった。主要指標のNYダウが前日比1.0%高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.4%高と反発している。米サプライマネジメント協会(ISM)が公表した10月の非製造業景況感指数は予想以上に上昇し、約2年ぶりの高水準に拡大した。また、6〜7日開催のFOMC(連邦公開市場委員会)で追加利下げが決定されるとの見通しも支え。米大統領・議会選の投開票が始まり、結果判明には時間がかかるとみられているが、相場に対する悪影響はそれほどみられなかった。事前調査では、民主党候補のハリス副大統領と野党・共和党候補のトランプ前大統領が接戦。議会選も両陣営が拮抗しているため、大統領がどちらになっても「ねじれ」となり、「極端な政策は打ち出せない」との見方が広がったことも買い安心感につながった。
 中国銘柄もしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は1.6%高と3日続伸した。主要な香港との重複上場銘柄では、小鵬汽車(エックスポン:9868/HK、XPEV/NYSE)が6.1%高、ビリビリ(9626/HK、BILI/NASDAQ)が5.6%高、理想汽車(リ・オート:2015/HK、LI/NASDAQ)が3.6%高と上げが目立っている。
 商品相場に関しては、原油相場が0.7%高と5日続伸し、金先物が4日ぶりに反発。ロンドン金属取引所(LME)では、銅やアルミなど主要産品がそろって上昇した。
 内部環境も良好。中国景況感の改善がプラスだ。官民で公表された10月の中国製造業PMIが上振れたことに続き、5日発表された民間集計の財新サービス業PMIは市場予想(50.5)を大幅に上回る52.0で着地している。中国経済対策に対する期待感も持続。李強・首相は5日、上海で開催された中国国際輸入博覧会の開幕式で演説し、「中国は経済成長目標を達成できる」と改めて強調し、財政・金融政策には十分な余地があるとも述べた。4日に開幕した全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会会議の決定内容については、最終日(8日)に国営メディアが詳細を報じるのが通例で、市場では、10兆人民元規模の財政政策が打ち出されるとの観測が高まっている。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として底堅く推移か。米中の景況感改善がプラス材料だ。ただ、米大統領選の結果や全人代常務委会議の内容を見極めたいとするスタンスが強まれば、買い手控え要因として意識されよう。また、指数は前日に急伸しているため(上海総合指数は2.3%高で約1カ月ぶり高値、ハンセン指数は2.1%高で約3週ぶり高値)、売り圧力も意識される状況だ。


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