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2024/11/12 08:54

下値の堅い展開か、中国の追加経済対策に期待感 無料記事

◆12日の香港マーケットは、中国の追加経済対策に対する期待感で下値の堅い展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はポジティブ。11日の米株市場は、次期トランプ政権の経済政策に対する期待感が継続し相場を押し上げた。主要指標のNYダウは前営業日比0.7%高と続伸し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.1%高と5日続伸。それぞれ、連日で史上最高値を更新した。米大統領選で共和党のトランプ前大統領が勝利し、米連邦議会選挙では共和党が多数派となっている。減税や規制緩和など、トランプ氏が掲げる政策が実行しやすくなるとの見方が広がった。ただ、米商務省が半導体受託生産で世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC:2330/TW)に対し、人工知能(AI)などに使用する先端半導体を中国企業に出荷することを停止するよう命じたと伝わったことを受け、半導体株は逆行安。ィラデルフィア半導体株指数(SOX)は2.5%下落した。
 中国銘柄はしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は0.6%高と反発した。主要な香港との重複上場銘柄では、小鵬汽車(XPEV/NYSE、9868/HK)が5.6%高、理想汽車(リ・オート:2015/HK、LI/NASDAQ)が2.9%高、京東集団(JDドットコム:9618/HK、JD:NASDAQ)が1.8%高と上げが目立っている。
 商品相場に関しては、原油相場が3.3%安と続落し、金先物も続落。ロンドン金属取引所(LME)では、銅やアルミなど主要産品が概ね下落した。
 一方、内部環境はややネガティブ。中国経済の先行き不透明感が漂っている。消費者物価指数(CPI)や生産者物価指数(PPI)が下振れするなど、中国のデフレが進行する中、内需の弱さが懸念される状況。全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会が打ち出した経済政策に関しては、市場への直接資金投入は盛り込まれず、アナリストの間からは、全体として新味にも欠けていると指摘された。ただ、市場関係者の間からは、米国の対中圧力が高まる中、当局は金融緩和や内需刺激に向けた対策を強化するとの声も聞かれている。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として下値の堅い展開か。中国経済の先行き不透明感はくすぶる中、当局の追加経済対策に対する期待感も高まっている。政策で恩恵を受けやすい銘柄群を物色する動きもみられよう。


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