2024/08/01 08:41
しっかりか、米ハイテク株高が支えに
◆1日の香港マーケットは、米ハイテク株高を支えにしっかりか。(亜州リサーチ編集部)
外部環境は安定的。7月31日の米株市場は、9月の米利下げ観測が材料視される展開だった。主要指標のNYダウが前日比0.2%高と続伸し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が2.6%高と急反発している。31日まで開催した米連邦公開市場委員会(FOMC)では予想通り政策金利は据え置かれたが、その後、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は記者会見で、「経済は利下げが適切な段階に近づいている」との認識を示し、「インフレが予想通り鈍化すれば、9月にも利下げを実施する可能性がある」と述べた。米債券市場では米10年債利回りが急低下し、ハイテクなど高PER(株価収益率)のグロース(成長)株に買いが広がっている。個別では、4〜6月期決算で売上高が予想を上回った米半導体大手のアドバンスト・マイクロ・デバイスが4.4%高、GPU(画像処理半導体)のエヌビディアにも見直し買いが入り12.8%高と急伸した。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は7.0%上昇し、主要指数をアウトパフォームしている。
内部環境もそれほど悪くない。7月30日に開かれた中央政治局会議は新味に欠けるとの見方が多かったものの、これから効果が徐々に表れると期待されている。会議では、積極的な財政政策と穏健な金融政策を着実に実施し、消費主導で内需を拡大させるなどの方針が決定された。足元では、中国人民銀行(中央銀行)が予想外の利下げに踏み切るなど金融緩和に動いている。市場の一部からは、今後、財政出動が強化されるとの声も聞かれた。また、国家統計局などが発表した7月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は49.4となり、景況判断の境目となる50を3カ月連続で割り込んだことを受け、市場では当局が景気テコ入れ策を強めるとの思惑も広がっている。
なお、中国では本日(日本時間10時45分ごろ)、7月の財新中国製造業PMI(民間集計)が公表される予定。最新のコンセンサス予想では、前月の51.8→51.5に低下する見通しだ。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体としてしっかりか。中国経済対策の期待感が根強いうえ、昨夜の米ハイテク株高も追い風だ。また、米長期金利の低下を受け、対米ドルの人民元相場が上昇していることも支えとなろう。ただ、指数は前日の上昇が急ピッチだっただけに(前日はハンセン指数が2.0%高、上海総合指数が2.1%高)、短期的な過熱感が意識されることには注意したい。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
外部環境は安定的。7月31日の米株市場は、9月の米利下げ観測が材料視される展開だった。主要指標のNYダウが前日比0.2%高と続伸し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が2.6%高と急反発している。31日まで開催した米連邦公開市場委員会(FOMC)では予想通り政策金利は据え置かれたが、その後、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は記者会見で、「経済は利下げが適切な段階に近づいている」との認識を示し、「インフレが予想通り鈍化すれば、9月にも利下げを実施する可能性がある」と述べた。米債券市場では米10年債利回りが急低下し、ハイテクなど高PER(株価収益率)のグロース(成長)株に買いが広がっている。個別では、4〜6月期決算で売上高が予想を上回った米半導体大手のアドバンスト・マイクロ・デバイスが4.4%高、GPU(画像処理半導体)のエヌビディアにも見直し買いが入り12.8%高と急伸した。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は7.0%上昇し、主要指数をアウトパフォームしている。
内部環境もそれほど悪くない。7月30日に開かれた中央政治局会議は新味に欠けるとの見方が多かったものの、これから効果が徐々に表れると期待されている。会議では、積極的な財政政策と穏健な金融政策を着実に実施し、消費主導で内需を拡大させるなどの方針が決定された。足元では、中国人民銀行(中央銀行)が予想外の利下げに踏み切るなど金融緩和に動いている。市場の一部からは、今後、財政出動が強化されるとの声も聞かれた。また、国家統計局などが発表した7月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は49.4となり、景況判断の境目となる50を3カ月連続で割り込んだことを受け、市場では当局が景気テコ入れ策を強めるとの思惑も広がっている。
なお、中国では本日(日本時間10時45分ごろ)、7月の財新中国製造業PMI(民間集計)が公表される予定。最新のコンセンサス予想では、前月の51.8→51.5に低下する見通しだ。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体としてしっかりか。中国経済対策の期待感が根強いうえ、昨夜の米ハイテク株高も追い風だ。また、米長期金利の低下を受け、対米ドルの人民元相場が上昇していることも支えとなろう。ただ、指数は前日の上昇が急ピッチだっただけに(前日はハンセン指数が2.0%高、上海総合指数が2.1%高)、短期的な過熱感が意識されることには注意したい。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。