2024/08/07 09:08
上値の重い展開か、不安材料くすぶる
◆7日の香港マーケットは、不安材料がくすぶる中で上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
外部環境は安定しつつある。6日の米株市場は、前日急落した反動の買いが優勢となる展開だった。主要指標のNYダウが前日比0.8%高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.0%高と4日ぶりに反発している。NYダウが前日までの3営業日で5%超下落する中、値ごろ感に着目した自律反発狙いの買いが先行した。米景気の減速懸念は払しょくされていないが、市場関係者の一角からは「株式市場の反応は行き過ぎ」との声も聞かれる。ただ、上値は限定された。米株市場の不安心理を表すVIX(20を超えると不安心理が高まった状態とされる通称「恐怖指数」)は前日の38.57から6日は27.71に低下したとはいえ、依然として20を超えている。相場変動率の高さが投資家の慎重スタンスにつながった。
他方、中国銘柄の買いは継続。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は3.0%高と続伸した。主要な香港との重複上場銘柄では、微博(ウェイボー:9898/HK、WB/NASDAQ)が4.8%高、携程集団(トリップドットコム・グループ:9961/HK、TCOM/NASDAQ)が4.7%高、京東集団(JDドットコム:9618/HK、JD:NASDAQ) が2.0%高など。
内部環境もそれほど悪くない。中国の内需不振など景気先行き不安を背景に、経済対策の期待感も高まる状況だ。先ごろ閉幕した第20期中央委員会第3回全体会議(3中全会)で示された方針のもと、当局は景気対策を急いでいる。直近では、国家発展改革委員会が6日、電力システム更新に向けた3カ年計画の詳細を発表した。それより先、国務院(内閣に相当)が3日、サービス消費の拡大を促す方針を明らかにしている。
一方、中国では来週にかけて7月の経済指標発表が相次ぐ。きょう7日に貿易統計、9日に物価統計、15日に小売売上高や鉱工業生産など、15日までに金融統計が予定されている。貿易統計に関しては、米ドル建て輸出が前年同月比9.5%増(前月は8.6%増)、輸入が3.2%増(前月は2.3%減)に加速するとの見方がコンセンサスだ。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。米株反発はひとまず好感されそうだが、中東情勢の緊迫化や米中の景気懸念が不安材料として意識されよう。また、中国指標を見極めたいとするスタンスが買い控えにつながる可能性もありそうだ。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
外部環境は安定しつつある。6日の米株市場は、前日急落した反動の買いが優勢となる展開だった。主要指標のNYダウが前日比0.8%高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.0%高と4日ぶりに反発している。NYダウが前日までの3営業日で5%超下落する中、値ごろ感に着目した自律反発狙いの買いが先行した。米景気の減速懸念は払しょくされていないが、市場関係者の一角からは「株式市場の反応は行き過ぎ」との声も聞かれる。ただ、上値は限定された。米株市場の不安心理を表すVIX(20を超えると不安心理が高まった状態とされる通称「恐怖指数」)は前日の38.57から6日は27.71に低下したとはいえ、依然として20を超えている。相場変動率の高さが投資家の慎重スタンスにつながった。
他方、中国銘柄の買いは継続。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は3.0%高と続伸した。主要な香港との重複上場銘柄では、微博(ウェイボー:9898/HK、WB/NASDAQ)が4.8%高、携程集団(トリップドットコム・グループ:9961/HK、TCOM/NASDAQ)が4.7%高、京東集団(JDドットコム:9618/HK、JD:NASDAQ) が2.0%高など。
内部環境もそれほど悪くない。中国の内需不振など景気先行き不安を背景に、経済対策の期待感も高まる状況だ。先ごろ閉幕した第20期中央委員会第3回全体会議(3中全会)で示された方針のもと、当局は景気対策を急いでいる。直近では、国家発展改革委員会が6日、電力システム更新に向けた3カ年計画の詳細を発表した。それより先、国務院(内閣に相当)が3日、サービス消費の拡大を促す方針を明らかにしている。
一方、中国では来週にかけて7月の経済指標発表が相次ぐ。きょう7日に貿易統計、9日に物価統計、15日に小売売上高や鉱工業生産など、15日までに金融統計が予定されている。貿易統計に関しては、米ドル建て輸出が前年同月比9.5%増(前月は8.6%増)、輸入が3.2%増(前月は2.3%減)に加速するとの見方がコンセンサスだ。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。米株反発はひとまず好感されそうだが、中東情勢の緊迫化や米中の景気懸念が不安材料として意識されよう。また、中国指標を見極めたいとするスタンスが買い控えにつながる可能性もありそうだ。
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