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2024/09/20 08:40

買い先行か、NYダウは高値更新 無料記事

◆20日の香港マーケットは、米株高を好感し買い先行か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はポジティブ。19日の米株市場は、米大幅利下げが改めて材料視される展開だった。主要指標のNYダウが前日比1.3%高と3日ぶりに反発し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数も2.5%高と反発している。NYダウは終値で史上最高値を更新。機関投資家がベンチマークとして重要視するS&P500指数も1.7%上昇し、2カ月ぶりに終値の最高値を更新した。18日まで開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)では、通常の2倍となる0.5%の利下げを決定。前日はパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の「追加の緩和は急がない」とする発言が嫌気されたが、この日は一転、「大幅利下げが米経済を支える」と楽観ムードが広がった。また、米労働省が19日発表した新規失業保険申請件数(週間)は予想に反して減少し、5月以来の低水準。9月のフィラデルフィア連銀製造業景気指数はプラス1.7となり、予想(マイナス1.0)と前回(マイナス7.0)を上回って改善した。米経済がソフトランディング(軟着陸)するとの見方も一段と強まっている。
 中国銘柄も急伸。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は4.2%高と急反発した。主要な香港との重複上場銘柄では、小鵬汽車(エックスポン:9868/HK、XPEV/NYSE)が8.7%高、蔚来汽車(9866/HK、NIO/NYSE)が7.5%高、京東集団(JDドットコム:9618/HK、JD:NASDAQ)が6.8%高、ビリビリ(9626/HK、BILI/NASDAQ)が6.4%高、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK、BABA/NYSE)が4.8%高などと値を上げている。
 資源相場に関しては、NY商品市場でWTI原油先物が1.5%高と反発し、金先物価格は続伸した。ロンドン金属取引所(LME)では、銅価格が2カ月ぶりの高値を付けるなど主要産品が軒並み上昇している。
 中国国内の環境も悪くない。中国の景気懸念がくすぶる中、当局は今年の経済成長目標(5.0%前後)達成のため、新たな景気支援策を打ち出すと期待されている。米国が大幅利下げを決定したことで、中国の緩和余地が広がったとの見方が広がる状況だ。今月上旬には、中国人民銀行(中央銀行)貨幣政策司の鄒瀾・司長が記者会見で、預金準備率の引き下げ余地はあるとの見解を示している。
 なお、中国ではきょう20日(日本時間10時ごろ)、実質的な政策金利となる9月の最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」が発表される予定。銀行貸出の指標となる1年物LPRは現行の3.35%、住宅ローン金利の指標となる5年物LPRは3.85%に据え置かれる見通しだ。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは買いが先行する流れか。上述したように、米株高値更新が投資家心理を上向かせそうだ。また、中国経済対策の期待感が根強いことも支えとなろう。ただ、対外関係の悪化懸念がくすぶっているだけに、買い一巡後は上値が重くなる可能性もありそうだ。


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