◆週明け26日の香港マーケットは、米利下げ期待でしっかりか。(亜州リサーチ編集部)
　外部環境はポジティブ。23日の米株市場は、米9月利下げの期待感が相場を支える展開だった。主要指標のNYダウが前日比1.1％高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.5％高と反発している。パウエル米連邦準備理事会（FRB）議長は23日、ジャクソンホール会議（各国の中央銀行関係者が集まる国際経済シンポジウム）で講演し、米インフレ鈍化に進展がみられるとした上で、「政策を調整する時期が来た」と述べ、近く利下げを実施することを示唆した。米債券市場では、米10年債利回りが低下に転じている。個別では、28日に四半期決算を報告するGPU（画像処理半導体）のエヌビディアが4.6％上昇した。
　一方、内部環境には好悪材料が入り混じる。まず、中国人民銀行（中央銀行）の資金吸収スタンスがマイナスだ。人民銀は先週、リバースレポを通じ累計1兆1978億人民元を市中に供給したが、満期日との差し引きで3471億人民元を吸収している。他方、不動産支援スタンスが一段と高まっていることはプラス。住宅都市農村建設部の董建国・副部長は23日の記者会見で、不動産市況の改善に向けた在庫住宅の買い上げ政策を加速させると表明した。
　なお、香港では主要な上場企業の中間決算報告が今週に出揃う。きょう26日は昆侖能源(135/HK)や中国石油天然気(857/HK)、北京汽車(1958/HK)、27日は華潤電力HD(836/HK)や澳門博彩HD(880/HK)、安徽海螺水泥(914/HK)、華潤置地(1109/HK)、安踏体育用品(2020/HK)、中海油田服務(2883/HK)、中国建材(3323/HK)、翰森製薬集団(3692/HK)、海底撈国際HD(6862/HK)、農夫山泉(9633/HK)、携程集団(9961/HK)などが決算発表する予定だ
　こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体としてしっかりとした展開か。上述したように、米利下げ期待が支えとなりそうだ。ただ、米中対立の警戒感が高まっていることには注意を要する。ロシアとの取引を理由に、米商務省は複数の中国企業を輸出規制の対象に加えると発表。中国商務部は反発し、対抗措置を示唆した。


内容についてのお問い合わせは＜info@ashuir.com＞まで。