2024/10/24 08:32
上値の重い展開か、米長期金利の上昇が逆風に
◆24日の香港マーケットは、米金利高を嫌気し上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
外部環境はやや不透明。23日の米株市場は、米長期金利の上昇が重しとなる展開だった。主要指標のNYダウは前日比1.0%安と3日続落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は1.6%安と5日ぶりに反落している。米債券市場では米10年債利回りの上昇が続き、一時、約3カ月ぶりの高水準を付けた。足元では強い経済指標の発表が続き、米連邦準備理事会(FRB)は利下げペースを緩やかにするとの見方が強まっている。また、米大統領・議会選まで後2週間を切る中、国民の人気取りで両陣営とも財政拡大を打ち出すとみられていることも金利上昇圧力につながった。
中国銘柄もさえない。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は1.2%安と反落した。主要な香港との重複上場銘柄では、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK、BABA/NYSE)が2.5%安、百度(バイドゥ:9888/HK、BIDU/NASDAQ)が2.2%安、微博(ウェイボー:9898/HK、WB/NASDAQ)が1.4%安などと値を下げている。
商品相場も軟調。NY商品市場ではWTI原油先物が1.4%下落し、連日で最高値を更新していた金先物は7日ぶりに反落した。ロンドン金属取引所(LME)では、銅やニッケルなど主要産品が概ね売られている。
一方、内部環境は悪くない。中国景気の先行き不安はくすぶるものの、当局は景気支援スタンスを強めている。当局はこれまで、金融緩和など経済対策を矢継ぎ早に打ち出した。更に、今年の経済成長目標(5.0%前後)を達成するため、財政出動など追加の刺激策を打ち出すとの観測も一部に広がっている。また、株式市場の支援策を強化していることもプラス。中国人民銀行(中央銀行)は先ごろ、上場企業の自社株買い、大株主による上場企業株の買い増しを支援する再融資制度を創設した。ほか、証券会社、ファンド、保険会社が株式を購入するため、人民銀から流動性を引き出せるようにするスワップ制度「SFISF」を正式始動している。そのほか、政府系シンクタンク、中国社会科学院の金融研究所が22日、総額2兆人民元(約42兆6000億円)規模の「株価安定化基金」設立を提言した。
なお、本土・香港マーケットでは1〜9月期決算の発表がスタートしている。香港上場の主要企業では、今日24日に深セン投控湾区発展(737/HK)や中石化石油工程技術服務(1033/HK)、25日に中国外運(598/HK)や中国海外発展(688/HK)、東江環保(895/HK)、中国神華能源(1088/HK)、国薬HD(1099/HK)、エン鉱能源集団(1171/HK)、金風科技(2208/HK)、長城汽車(2333/HK)、中国建材(3323/HK)などが報告する予定だ。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。中国の景気支援スタンスなどは支えになりそうだが、米金利の上昇基調が嫌気されそうだ。香港は金融政策で米国に追随するため、域内金利の上昇も懸念される。また、中国本土では対米ドルでの人民元安圧力の高まりを背景に、資金流出も不安視される状況だ。目先は、業績動向に着目した物色となろう。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
外部環境はやや不透明。23日の米株市場は、米長期金利の上昇が重しとなる展開だった。主要指標のNYダウは前日比1.0%安と3日続落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は1.6%安と5日ぶりに反落している。米債券市場では米10年債利回りの上昇が続き、一時、約3カ月ぶりの高水準を付けた。足元では強い経済指標の発表が続き、米連邦準備理事会(FRB)は利下げペースを緩やかにするとの見方が強まっている。また、米大統領・議会選まで後2週間を切る中、国民の人気取りで両陣営とも財政拡大を打ち出すとみられていることも金利上昇圧力につながった。
中国銘柄もさえない。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は1.2%安と反落した。主要な香港との重複上場銘柄では、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK、BABA/NYSE)が2.5%安、百度(バイドゥ:9888/HK、BIDU/NASDAQ)が2.2%安、微博(ウェイボー:9898/HK、WB/NASDAQ)が1.4%安などと値を下げている。
商品相場も軟調。NY商品市場ではWTI原油先物が1.4%下落し、連日で最高値を更新していた金先物は7日ぶりに反落した。ロンドン金属取引所(LME)では、銅やニッケルなど主要産品が概ね売られている。
一方、内部環境は悪くない。中国景気の先行き不安はくすぶるものの、当局は景気支援スタンスを強めている。当局はこれまで、金融緩和など経済対策を矢継ぎ早に打ち出した。更に、今年の経済成長目標(5.0%前後)を達成するため、財政出動など追加の刺激策を打ち出すとの観測も一部に広がっている。また、株式市場の支援策を強化していることもプラス。中国人民銀行(中央銀行)は先ごろ、上場企業の自社株買い、大株主による上場企業株の買い増しを支援する再融資制度を創設した。ほか、証券会社、ファンド、保険会社が株式を購入するため、人民銀から流動性を引き出せるようにするスワップ制度「SFISF」を正式始動している。そのほか、政府系シンクタンク、中国社会科学院の金融研究所が22日、総額2兆人民元(約42兆6000億円)規模の「株価安定化基金」設立を提言した。
なお、本土・香港マーケットでは1〜9月期決算の発表がスタートしている。香港上場の主要企業では、今日24日に深セン投控湾区発展(737/HK)や中石化石油工程技術服務(1033/HK)、25日に中国外運(598/HK)や中国海外発展(688/HK)、東江環保(895/HK)、中国神華能源(1088/HK)、国薬HD(1099/HK)、エン鉱能源集団(1171/HK)、金風科技(2208/HK)、長城汽車(2333/HK)、中国建材(3323/HK)などが報告する予定だ。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。中国の景気支援スタンスなどは支えになりそうだが、米金利の上昇基調が嫌気されそうだ。香港は金融政策で米国に追随するため、域内金利の上昇も懸念される。また、中国本土では対米ドルでの人民元安圧力の高まりを背景に、資金流出も不安視される状況だ。目先は、業績動向に着目した物色となろう。
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