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2024/09/02 08:45

神経質な値動きか、中国の景気懸念くすぶる 無料記事

◆週明け9月2日の香港マーケットは、中国の景気懸念で神経質な値動きか。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は安定的。8月30日の米株市場は、米経済がソフトランディング(軟着陸)期待が強まる中で買われる展開だった。主要指標のNYダウが前日比0.6%高と続伸し、連日史上最高値を更新。ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.1%高と3日ぶりに反発した。9月の米利下げが確実視されているうえで、米景気の先行きも楽観されている。米連邦準備理事会(FRB)がインフレ動向の目安とする7月の米個人消費支出(PCE)コア指数(食品とエネルギーを除く)は前月比0.2%上昇と6月に続き緩やかな伸びとなり、前年同月比では2.6%上昇と予想(2.7%上昇)を下回った。ミシガン大学が12日発表した8月の消費者信頼感指数(確報値)は67.9となり、5カ月ぶりに改善し、1年先の期待インフレ率は7月から低下し、約3年半ぶりの低水準となっている。
 中国銘柄もしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は1.2%高と続伸している。阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK、BABA/NYSE)が2.9%高、京東集団(JDドットコム:9618/HK、JD:NASDAQ)が2.4%高、蔚来汽車(9866/HK、NIO/NYSE)が2.5%高などと値を上げた。
 内部環境には好悪材料が交錯。中国国家統計局が8月31日に公表した8月の購買担当者景気指数(PMI)は、非製造業PMIが小幅ながら前月から上昇したものの、製造業PMIは改善見通しに反し前月から低下した。6カ月ぶりの低水準に落ち込んでいる。景気懸念が依然としてくすぶる状況だ。一方、政策期待は高まる。外電は8月30日、関係者の話として、「当局は消費促進のため、住宅ローンの借り換え容認を検討している」と報じた。人民元高進行もプラス。8月30日の上海外国為替市場では、対米ドルの人民元高が進み、一時、約1年3カ月ぶりの高水準を付けた。
 なお、本日は(日本時間10時45分ごろ)、8月の財新中国製造業PMI(民間集計)が発表される予定。最新のコンセンサス予想では、7月の49.8から50.0に上向く見通しだ。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。中国経済対策の期待感や、米株の上昇などは支えとなるものの、中国の景気懸念が重しとなろう。ハンセン指数は先週、約1カ月半ぶりの高値水準を回復したとあって、利食い売り圧力も意識されそうだ。


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