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2024/09/17 08:45

上値の重い展開か、米政策金利発表を前に様子見も 無料記事

◆17日の香港マーケットは、米金融政策の見極めで上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は概ね良好。16日の米株市場は、主力ハイテク株の下げは重しとなったが、米大幅利下げ観測が引き続き相場を支える展開だった。主要指標のNYダウが前日比0.6%高と4日続伸し、約2週ぶりに史上最高値を更新している。18日(日本時間19日未明)に公表される米連邦公開市場委員会(FOMC)の内容に関しては、利下げ幅が通常の2倍の0.5%になる可能性が更に高まった。短期金利市場によれば、0.5%利上げを織り込む確率が6割を超えている。米債券市場では米10年債利回りの低下が進み、昨年6月以来の低水準に達した。米経済のソフトランディング(軟着陸)期待も持続。9月のNY連銀製造業景況指数は予想を上回り、約1年ぶりにプラス圏を回復した。半面、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.5%安と6日ぶりに反落している。新型スマートフォン「iPhone16」について、一部のアナリストが需要の鈍さを指摘したことでアップル株が2.8%安と下落。ハイテク株全体のセンチメントを押し下げた。
 中国銘柄もさえない。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は0.6%安と反落した。主要な香港との重複上場銘柄では、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK、BABA/NYSE)が1.3%安、ビリビリ(9626/HK、BILI/NASDAQ)が1.1%安などと下げている。
 資源相場に関しては、WTI原油先物が2.1%高と反発。ロンドン金属取引所(LME)では、主要産品の先物価格が軒並み上昇した。半面、前日まで連日で最高値を更新していたNY金先物は反落している。
 一方、内部環境はさえない。週末に公表された8月の中国経済統計では、小売売上高や鉱工業生産、人民元建て新規融資などが予想を下回り、不動産関連の統計は減少が続いている。その結果を受け、証券各社は2024年の中国成長見通しを引き下げた。ゴールドマン・サックスは最新リポートで、24年の経済成長目標(5.0%前後)を達成できないリスクが高まったと指摘している。
 こうした中、本日の香港マーケットは全体として上値の重い展開か。前日の相場では、「中国当局は今年の経済成長目標(5.0%前後)達成のため、景気対策を強める」との見方が広がり、主要指数はプラスで引けたものの、力強さはなかった。米金融政策を見極めたいとするスタンスが買い手控え要因となろう。なお、今週は中秋節で本土市場が16〜17日に休場。香港市場はあす18日が休場となる。


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