◆22日の香港マーケットは、中国企業の業績見極めで上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
　外部環境はやや不透明。21日の米株市場は、高値警戒感と金利上昇が重しとなる展開だった。主要指標のNYダウが前日比0.8％安と4日ぶりに反落。ハイテク株比率の大きいナスダック指数は4日続伸したが、上昇率は0.3％にとどまっている。NYダウは前営業日まで連日で史上最高値を更新していたとあって、利益確定の売り圧力が高まった。米債券市場では米10年債利回りの上昇が加速し、7月下旬以来、約3カ月ぶりの高水準を付けている。米大統領選を来月5日に控える中、選挙後は財政赤字が拡大するとの懸念が広がった。半面、人工知能（AI）向け半導体需要の強さを複数アナリストが指摘し、エヌビディアが4.1％高と急伸。ハイテク株全般の支えとなった。
　中国銘柄はさえない。中国企業のADR（米国預託証券）で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数（HXC）は0.8％安と反落した。主要な香港との重複上場銘柄では、百度（バイドゥ：9888/HK、BIDU/NASDAQ）が2.9％安、蔚来汽車（9866/HK、NIO/NYSE）が1.5％安、阿里巴巴集団HD（アリババ・グループ・ホールディング：9988/HK、BABA/NYSE）が1.5％安などと値を下げている。
　商品相場はまちまち。NY商品市場ではWTI原油先物が1.9％高と反発し、金先物は連日で最高値を更新した。半面、ロンドン金属取引所（LME）では、主要産品が軒並み下落している。
　一方、内部的には企業業績の動向が気がかり。本土・香港マーケットでは1〜9月期決算の発表がスタートしている。香港上場の主要企業では、今日22日に中国電信(728/HK)や中国聯通（762/HK）、23日に香港交易所(388/HK)や中国広核電力(1816/HK)、中国中煤能源(1898/HK)などが報告する予定だ。
　こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。上述したように、中国企業の業績動向を見極めたいとするスタンスが様子見ムードを強めさせそうだ。また、中国当局はこれまで、金融緩和や株価対策など支援策を矢継ぎ早に打ち出したが、いったん好材料の出尽くし感も意識されよう。


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