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2024/09/04 08:51

売り先行か、内外の景気懸念が重し 無料記事

◆4日の香港マーケットは、内外の景気懸念で売り先行か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はネガティブ。休場明け3日の米株市場は、米景気の減速懸念が強まる中で売りが広がる展開だった。主要指標のNYダウが前営業日比1.5%安と3日ぶりに反落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数も3.3%安と急反落している。米サプライマネジメント協会(ISM)が発表した8月の製造業景況感指数は予想(47.5)を下回る47.2となり、景況判断の境目となる50を5カ月連続で割り込んだ。個別項目では、生産指数が2020年5月以来、4年3カ月ぶり、新規受注が15カ月ぶりの低水準に悪化している。NYダウは前営業日まで連日で史上最高値を更新していたことや、週内に米連邦準備制度理事会(FRB)が政策判断で重要視する労働関係の指標が相次ぐことも(4日に米雇用統計動態調査(JOLTS)、5日にADP全米雇用リポートと新規失業保険調査、6日に米雇用統計)、売りを加速させる一因となった。個別では、成長鈍化を経過した売りが続き米半導体大手のエヌビディアが9.5%安。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は7.8%下落し、主要指数をアンダーパフォームした。
 中国銘柄もさえない。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)が0.9%下落している。主要な香港との重複上場銘柄では、網易(ネットイース:9999/HK、NTES/NASDAQ)が3.0%安、理想汽車(リ・オート:2015/HK、LI/NASDAQ)が2.4%安、百度(バイドゥ:9888/HK、BIDU/NASDAQ)が1.4%安、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK、BABA/NYSE)が1.3%安などと値を下げた。
 資源相場も下落。NY商品取引所ではWTI原油先物が4.4%安と続落し、一時、今年1月以来の安値を付けている。ロンドン金属取引所(LME)では、銅などの先物価格が安く推移した。
 内部環境も不透明。中国の景気懸念がくすぶっているほか、中国人民銀行(中央銀行)の資金吸収がマイナスだ。人民銀が3日に実施したリバースレポを通じた資金供給は12億人民元にとどまり、満期分との差し引きで4713億人民元の資金を吸収。人民銀は2日も資金吸収している。
 なお、本日は(日本時間10時45分ごろ)、8月の財新中国サービス業PMI(民間集計)が発表される予定。最新のコンセンサス予想では、7月の52.1から51.8に低下する見通しだ。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは売りが先行しそうだ。上述したように、内外の景気懸念が投資家心理の重しとなろう。米ハイテク株の急落や、資源相場の下落も関連銘柄にとっての逆風だ。ただ、中国経済対策の期待は根強く、政策の恩恵を受けやすい銘柄群の下値を拾う動きには期待したい。


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