◆週明け28日の香港マーケットは、中国企業の業績動向をにらみながら神経質な展開か。(亜州リサーチ編集部)
　外部環境は中立。25日の米株市場は、米長期金利の低下が重しとなる一方、米企業業績の期待感が相場を支える展開だった。主要指標のNYダウが前日比0.6％安と5日続落する半面、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.6％高と続伸している。堅調な経済指標の発表が続く中、米債券市場では米10年債利回りが上昇し、23日につけた約3カ月ぶりの高水準に達した。米連邦準備理事会（FRB）は利上げペースを緩やかにするとの見方が広がっている。一方、28日の週に集中する大型ハイテク株には、好決算を見越した買いが入り、ナスダック指数を押し上げた。
　中国銘柄はしっかり。中国企業のADR（米国預託証券）で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数（HXC）は1.4％高と3日ぶりに反発した。主要な香港との重複上場銘柄では、小鵬汽車（エックスポン：9868/HK、XPEV/NYSE）が6.0％高、蔚来汽車（9866/HK、NIO/NYSE）が5.6％高、ビリビリ（9626/HK、BILI/NASDAQ）が3.5％高などと値を上げている。
　商品相場に関しては、NY商品市場ではWTI原油先物が2.3％高と反発し、金先物は続伸した。ロンドン金属取引所（LME）では、主要産品の価格がまちまちとなっている。
　一方、内部的には企業業績の動向が気がかり。本土・香港マーケットでは1〜9月期決算の発表が本格化している。香港上場の主要企業では、今日28日には中国石油化工(386/HK)や中国海洋石油(883/HK)、北京汽車(1958/HK)、中国建築国際集団(3311/HK)、洛陽欒川モリブデン業集団(3993/HK)、29日にはHSBC(5/HK)や万洲国際(288/HK)、江西銅業(358/HK)、ASMPT(522/HK)、中国石油天然気(857/HK)、中海油田服務(2883/HK)、中国アルミ(2600/HK)、招商銀行(3968/HK)、中信証券(6030/HK)、30日は比亜迪電子国際(285/HK)や中国東方航空(670/HK)、中国国際航空(753/HK)、中国建設銀行(939/HK)、中国農業銀行(1288/HK)、中国工商銀行(1398/HK)、万科企業(2202/HK)、中国人寿保険(2628/HK)、交通銀行(3328/HK)、中国銀行(3988/HK)などが報告する予定だ。
　こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。本格化する企業決算の動向をにらみながらの展開となろう。今週は時価総額上位のエネルギーや大手銀などの業績発表が集中する予定だ。


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