/ 詳細
検索 (期間指定)
期間
亜州リサーチFacebook公式ページ 亜州リサーチYoutube公式チャンネル

2024/08/30 08:50

上値の重い展開か、中国PMIが気がかり 無料記事

◆30日の香港マーケットは、中国指標の発表控え上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は中立。29日の米株市場は、景気後退(リセッション)懸念の後退が支えになる一方、米半導体大手エヌビディアの続落が重しとなる展開だった。主要指標のNYダウが前日比0.6%高と反発し、2日ぶりに史上最高値を更新。半面、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.2%安と続落した。この日公表された経済指標は堅調。4〜6月期の米実質国内総生産(GDP)改定値は速報値から上方修正され、新規失業保険申請件数(週間)は小幅ながら予想以上に減少した。米経済がソフトランディング(軟着陸)できるとの見方につながっている。景気敏感株などに買いが広がった。ただ、AI(人工知能)ブームをリードするエヌビディアは、8〜10月期の売上高見通しが投資家の期待に応えられず、成長鈍化が懸念され6.4%安と大幅続落。ハイテク株全般の逆風となった。
 中国銘柄は急反発。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は2.6%上昇している。主要な香港との重複上場銘柄では、理想汽車(リ・オート:2015/HK、LI/NASDAQ)が10.6%高、小鵬汽車(エックスポン:9868/HK、XPEV/NYSE)が8.1%高、蔚来汽車(9866/HK、NIO/NYSE)が6.8%高、ビリビリ(9626/HK、BILI/NASDAQ)が4.2%高などと値を上げた。
 内部環境にも気がかり材料がある。中国ではあす31日、8月の購買担当者景気指数(PMI、国家統計局などが集計)が発表される予定だ。製造業PMIについては、7月の49.4から49.5にやや上向くと予想されているが、景況判断の境目となる50は引き続き下回る。非製造業PMIは7月の50.2から50.1にやや低下する見込みだ。
 なお、香港では主要な上場企業の中間決算報告がきょう出揃う。本日は中国中信(267/HK)や鞍鋼(347/HK)、中国中鉄(390/HK)、中国東方航空(670/HK)、中国稀土HD(769/HK)、中升集団HD(881/HK)、中国建設銀行(939/HK)、中国神華能源(1088/HK)、エン鉱能源集団(1171/HK)、中国鉄建(1186/HK)、中国農業銀行(1288/HK)、中国工商銀行(1398/HK)、中国郵政儲蓄銀行(1658/HK)、広発証券(1776/HK)、中国交通建設(1800/HK)、万科企業(2202/HK)、広州汽車集団(2238/HK)、長城汽車(2333/HK)、上海電気集団(2727/HK)、中遠海運発展(2866/HK)、雅居楽集団HD(3383/HK)、新疆新キン鉱業(3833/HK)などが決算発表する予定だ。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。中国指標の公表をあすに控え、様子見ムードが漂う可能性がある。ただ、本土市場に関しては、前日の上海総合指数が約6カ月半ぶりの安値水準に落ち込んでいるとあって、自律反発狙いの買いも期待できよう。また、中国人民銀行(中央銀行)が29日、景気支援に向けた新たな手段を検討していると改めて強調したこともプラス材料だ。


内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。

関連ニュース同じカテゴリーのニュース