/ 詳細
検索 (期間指定)
期間
亜州リサーチFacebook公式ページ 亜州リサーチYoutube公式チャンネル

2024/07/11 08:36

しっかりか、米ハイテク株高が支えに 無料記事

◆11日の香港マーケットは、米ハイテク株高を支えにしっかりか。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はポジティブ。10日の米株市場は、米利下げ観測が根強い中で買われる展開だった。主要指標のNYダウは前日比1.1%高と3日ぶりに反発し、5月下旬以来の高値。ハイテク株比率の大きいナスダック指数は1.2%高と7日続伸し、7日連続で史上最高値を更新している。ほか、機関投資家がベンチマークとして重要視するS&P500指数は1.0%上昇し、連日で最高値を切り上げた。パウエル米連邦準備理事会(FRB)は10日、前日の米上院に続き米下院で議会証言し、労働市場の軟化について再び言及。利下げ時期に関しては明言を避けたものの、タカ派(引き締めに積極的)的な発言がなかったこともあり、市場関係者の間に利下げが近づきつつあるとの見方が広がった。個別では、エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイセズ、マイクロン・テクノロジーなど半導体株の上昇が目立つ。ファウンドリー世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC:2330/TW)は10日、今年6月の売上高が2078億6900万台湾ドル(約1兆300億円)規模に達したと報告した。4〜6月期の累積売上高が予想を上回る中、半導体需要の強さが改めて意識されている。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は2.4%上昇し、主要指数をアウトパフォームした。
 一方、内部的には指標発表が気がかり。中国では12日に6月の貿易統計、15日に6月の小売売上高や鉱工業生産などのほか、第2四半期のGDP成長率、15日までに6月の金融統計が発表される。10日公表された6月の物価統計がまちまちの内容。消費者物価指数(CPI)は下振れたものの、企業活動の目安となる生産者物価指数(PPI)が事前予想通り前月から上向いた。市場ではCPIの弱さを背景に、中国の内需不振が続くと懸念されている。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体としてしっかりとした展開か。上述したように、米ハイテク株高が支えとなりそうだ。ただ、対外関係の悪化懸念が続いていることや、中国指標の発表を控え、上値も限定されよう。


内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。

関連ニュース同じカテゴリーのニュース