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2020/05/18 09:09

方向感を欠く展開か、好悪材料が入り混じる 無料記事

◆週明け18日の香港マーケットは、好材料と悪材料の綱引きで方向感を欠く展開か。
 外部環境は安定的。先週末の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比0.3%高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.8%高とそろって続伸した。米経済の持ち直しが期待される。米商務省が公表した4月の小売売上高は大幅なマイナスを記録したものの、5月のミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)は予想に反して前月から上昇した。経済活動の正常化期待も強まる。新型コロナウイルス感染拡大が深刻だったニューヨーク州で15日、一部で建設業などの業務再開が認められた。全米の30州以上が経済活動を再開したこととなる。
 他方、米中対立の警戒感は高まる状況だ。米商務省は15日、中国の通信設備メーカー、華為技術(ファーウェイ)に対する事実上の禁輸措置を強化すると発表。それに対し中国商務部は17日、「あらゆる必要な措置を講じる」と反発している。
 一方、15日の中国本土マーケットは、主要指標の上海総合指数が0.1%安と小幅ながら続落。米中対立の警戒感が重しとなっている。また、取引時間中に発表された中国指標の内容も嫌気された。今年4月の経済統計では、鉱工業生産額が前年同月比で3.9%増加(4カ月ぶりにプラス成長)する半面、小売売上高は7.5%減と予想(6.0%減)以上に落ち込んでいる。各地で工場再開が進む一方、消費マインドは依然として回復が遅れている実態が明らかにされた。
 ただ、政策期待は依然として根強い。今週22日には、今年の政策運営や経済成長率などの目標を示す中国の最重要会議、全国人民代表委員会(全人代、国会に相当)が開幕する。また、中国人民銀行(中央銀行)の易綱総裁は16日付の共産党機関誌に寄稿した文章の中で、金融政策支援を強化する考えを示した。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは好悪材料が入り混じるなかで方向感を欠く展開か。中国の政策に対する期待感が根強い半面、米中対立の警戒感が高まっていることはマイナスだ。




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