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2024/11/18 08:53

上値の重い展開か、米利下げペース鈍化を警戒 無料記事

◆週明け18日の香港マーケットは、外部環境の不透明感で上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はややネガティブ。15日の米株市場は、米利下げペースの鈍化懸念が引き続き重しとなる展開だった。米利下期待の後退で売られている。主要指標のNYダウは前日比0.7%安と続落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が2.2%安と4日続落した。パウエル米連邦準備理事会(FRB)が14日、「利下げは急ぐ必要がない」と発言したほか、複数のFRB高官も利下げに慎重なスタンスを示した。足元の良好な経済指標を背景に、インフレ懸念もくすぶっている。10月の米小売売上高の伸び率は市場予想を上回り、11月のNY連銀製造業指数も予想を大幅に上回った。次回(12月)の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げが見送られ、来年の利下げペースが緩やかになるとの見方も一部で浮上している。
 半面、中国銘柄はしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は0.8%高と4日ぶりに反発した。主要な香港との重複上場銘柄では、京東集団(JDドットコム:9618/HK、JD:NASDAQ)が5.0%高、理想汽車(リ・オート:2015/HK、LI/NASDAQ)が2.2%高、網易(ネットイース:9999/HK、NTES/NASDAQ)が1.5%高と上げが目立っている。
 商品相場に関しては、原油相場が2.4%安と4日ぶりに反落し、金先物は6日続落。ロンドン金属取引所(LME)では、主要産品の値動きがまちまちだった。
 一方、内部環境に目立った新規材料は乏しい。先週15日に公表された10月の経済指標は、消費の堅調が確認されたものの、鉱工業生産は予想を下回り、不動産関連も低迷が続いている。市場関係者の間からは、景気浮揚のため、当局は追加の刺激策を打ち出す必要があるとの声も聞かれた。
 なお、香港では、主要な上場企業の四半期決算発表が進んでいる。きょう18日は小米集団(1810/HK)、19日は金山軟件(3888/HK)や小鵬汽車(9868/HK)、携程集団(9961/HK)、20日は快手科技(1024/HK)や蔚来集団(9866/HK)などが報告する予定だ。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。中国の追加経済対策に対する期待感は根強いが、米利下げペースの鈍化懸念がマイナス材料として意識されそうだ。目先は企業業績の着目した物色となるだろう。



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