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2024/08/29 08:42

売り先行か、米ハイテク株安が重し 無料記事

◆29日の香港マーケットは、米ハイテク株安で売り先行か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は不透明。28日の米株市場は、米半導体大手エヌビディアの業績動向見極めと高値警戒感で売られる展開だった。主要指標のNYダウが前日比0.4%安と4日ぶりに反落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数も0.1%安と反落している。NYダウは前日まで連日で史上最高値を更新していただけに、いったん利益を確定する動きが広がった。取引終了後には、AI(人工知能)ブームをリードするエヌビディアが四半期決算を報告する。
 エヌビディアが発表した5〜7月期決算は予想を上回り、自社株買いも発表した。ただ、8〜10月期の売上高見通しが投資家の期待に応えられず、同社株は時間外取引で大幅に下落。ナスダック100先物も下げて推移している。
 中国銘柄は急落。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は3.6%下落した。主要な香港との重複上場銘柄では、理想汽車(リ・オート:2015/HK、LI/NASDAQ)が16.1%安、小鵬汽車(エックスポン:9868/HK、XPEV/NYSE)が9.0%安、蔚来汽車(9866/HK、NIO/NYSE)が7.5%安などと値を下げている。理想汽車が発表した中間決算は47%減益だった。
 対外関係も悪化。中国製EV(電気自動車)を巡っては、カナダ政府が新たな関税を課すと発表し、欧州連合(EU)も追加関税の最終案を公表している。米国も輸入関税を引き上げる予定だ。中国政府は猛反発し、対抗措置を打ち出す姿勢を示している。
 内部環境にも気がかり材料がある。中国では31日、8月の購買担当者景気指数(PMI、国家統計局などが集計)が発表される予定だ。製造業PMIについては、7月の49.4から49.5にやや上向くと予想されているが、景況判断の境目となる50は引き続き下回る。
 なお、香港では主要な上場企業の中間決算報告が今週に出揃う。きょう29日は青島ビール(168/HK)や馬鞍山鋼鉄(323/HK)、東風汽車集団(489/HK)、中国国際航空(753/HK)、網龍網絡HD(777/HK)、中芯国際集成電路製造(981/HK)、中国南方航空(1055/HK)、東方電気(1072/HK)、中遠海運能源運輸(1138/HK)、中聯重科(1157/HK)、中遠海運港口(1199/HK)、華虹半導体(1347/HK)、中遠海運HD(1919/HK)、中国聯塑集団HD(2128/HK)、長城汽車(2333/HK)、中銀香港(2388/HK)、中国人寿保険(2628/HK)、中国龍工HD(3339/HK)、協キン科技HD(3800/HK)、招商銀行(3968/HK)、中国銀行(3988/HK)などが決算発表する予定だ。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは売りが先行しそうだ。上述したように、米ハイテク株安が重しとなる。また、中国と西側諸国の関係悪化や中国の景気懸念も売り材料として意識されよう。


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