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2024/09/19 08:38

神経質な値動きか、米中景気懸念が重しに 無料記事

◆休場明け19日の香港マーケットは、内外の景気懸念で上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はやや不透明。18日の米株市場は、米大幅利下げ好感も景気懸念が重しとなる展開だった。主要指標のNYダウが前日比0.2%安と続落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.3%安と反落している。米連邦公開市場委員会(FOMC)では大方の予想通り通常の2倍となる0.5%の利下げを決定。その後、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は会見で、追加の緩和は急がないと発言し、景気鈍化の警戒感が高まった。指数は金利発表後に上昇したが、議長会見後に下落している。
 中国銘柄はさえない。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は0.9%下落した。主要な香港との重複上場銘柄では、新興EV(電気自動車)メーカーが安い。蔚来汽車(9866/HK、NIO/NYSE)が7.2%、小鵬汽車(エックスポン:9868/HK、XPEV/NYSE)が4.5%、理想汽車(リ・オート:2015/HK、LI/NASDAQ)が3.0%ずつ下げた。
 対外関係の悪化も警戒。中国外交部は18日、米国が台湾に武器売却した対抗措置として、米軍関連企業9社が有する中国内の資産を凍結した。また、台湾産農水産物の関税優遇措置を今月25日より停止する。そのほか、ベトナムの海底ケーブル敷設計画に関し、米政府は中国企業を排除するよう働きかけているとも伝わった。
 中国国内では景気懸念がくすぶる。8月の経済指標が総じて弱い内容となるなか、証券各社が中国の2024年経済成長見通しを下方修正した。ゴールドマン・サックスは最新リポートで、4.9→4.7%に0.2ポイント引き下げ。24年の経済成長目標(5.0%前後)を達成できないリスクが高まったと指摘している。このほか、モルガン・スタンレーやシティグループなども成長率見通しを引き下げた。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。中秋節連休中の観光消費は堅調だったと伝わったものの、依然として中国の景気懸念はくすぶっている。内外の景気先行き不透明感が投資家心理の重しとなろう。ただ、中国当局は今年の経済成長目標(5.0%前後)達成のため、預金準備率引き下げなど経済対策を強めるとの観測も流れているだけに、下値を叩くような売りもみられないだろう。


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