/ 詳細
検索 (期間指定)
期間
亜州リサーチFacebook公式ページ 亜州リサーチYoutube公式チャンネル

2024/11/14 08:48

上値の重い展開か、企業業績の動向見極めで 無料記事

◆14日の香港マーケットは、企業業績の動向見極めで上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はやや不透明。13日の米株市場は、インフレ高進の警戒感がやや薄らぐ一方、高値警戒感が相場を重くする展開だった。主要指標のNYダウは前日比0.1%高と反発する半面、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.3%高と続落している。米労働省が公表した10月の消費者物価指数(CPI)は予想通り0.3%上昇にとどまり、3カ月連続で同水準を維持した。米連邦準備理事会(FRB)の利下げスタンスに変更はないとの見方も広がっている。米債券市場では、長期金利の指標となる10年債利回りは上昇したが、政策金利に敏感な2年債利回りは低下した。ただ、主要指数は米大統領選後に上昇基調を強め、11日にはそろって史上最高値を更新していたとあって、売り圧力も意識されている。
 米中対立の激化も警戒。米上下両院で共和党が過半数の議席を占める見通しと伝わり、共和党のトランプ次期大統領が掲げる政策が推進しやすくなったとの見方が強まった。「タリフ(関税)マン」を自称するトランプ次期大統領の公約では、中国からの輸入品に一律60%の関税をかける。
 中国銘柄がさえない。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は1.1%安と続落した。主要な香港との重複上場銘柄では、網易(ネットイース:9999/HK、NTES/NASDAQ)が2.8%安、小鵬汽車(XPEV/NYSE、9868/HK)が2.3%安と下げが目立っている。
 商品相場に関しては、原油相場が0.5%高と続伸する一方、金先物は0.8%安と4日続落し、約2カ月ぶりの安値を付けた。ロンドン金属取引所(LME)では、銅やアルミなど主要産品の値下がりが続いている。
 内部的には、主要企業の決算報告や重要経済指標の発表が気がかり。香港ではきょう14日に京東集団(JDドットコム:9618/HK)、京東物流(JDロジスティクス:2618/HK)、吉利汽車(175/HK)、網易(ネットイース:9999/HK)、15日に阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)などが四半期決算を公表する予定だ。経済指標では、15日に10月の各種統計(小売売上高や鉱工業生産など)が集中して発表される。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。香港上場企業の業績動向や、経済動向を見極めたいとするスタンスが買い手控え要因ととなりそうだ。また、米中対立の激化懸念も引き続き不安材料として意識されよう。なお、インターネットサービス中国大手の騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)が前日引け後に四半期決算を報告。ゲーム事業の好調で増収増益を達成したが、フィンテック分野の成長は伸び悩んだ。


内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。

関連ニュース同じカテゴリーのニュース