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2024/07/08 08:41

上値の重い展開か、中国指標が気がかり 無料記事

◆週明け8日の香港マーケットは、中国指標の発表を前に上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はポジティブ。休場明け5日の米株市場は、米労働市場の軟化が好感される展開だった。主要指標のNYダウが前営業日比0.2%高と反発し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.9%高と4日続伸している。ナスダック指数は連日で史上最高値を更新した。米労働省が公表した6月の米雇用統計では、(非農業部門の)雇用者数の伸びが予想を上回ったものの、4月と5月分が下方修正され、失業率が増加している。平均時給も3年ぶりの低い伸びにとどまった。弱い労働指標の結果を受け、米連邦準備理事会(FRB)が9月にも利下げに動くとの観測が強まっている。5日の米債券市場では、米10年債利回りが前営業日の終値(4.36%)を大幅に下回る4.2%台で推移した。
 一方、内部環境には不安材料がある。格付け会社フィッチ・レーティングスがこのほど、中国銀行業の信用格付け見通しを「弱含み(ネガティブ)」に引き下げた。不動産と地方政府に関連する業界の低迷が続くなか、銀行の不良債権比率は緩やかに上昇していくとみている。前週末5日の本土・香港市場では、銀行株が軒並み売りにおされた。
 中国指標の発表も気がかり。本土では10日に6月の物価統計、12日に6月の貿易統計、15日に6月の小売売上高や鉱工業生産などのほか、第2四半期のGDP成長率、15日までに6月の金融統計が公表される予定だ。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。米利下げ期待の高まりは好感されそうだが、中国指標の内容を見極めたいとするスタンスが買い手控え要因となろう。中国と西側諸国との対立も依然としてネガティブ材料だ。ただ、中国で中期的な重要政策の方針を話し合う第20期中央委員会第3回全体会議(3中全会)が15〜18日に開かれるため、当局は相場を安定させるとの思惑もある。


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