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2024/07/23 08:41

買い先行か、米ハイテク株高が追い風に 無料記事

◆23日の香港マーケットは、米ハイテク株高を好感した買いが先行する流れか。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は良好。22日の米株市場は、半導体株に見直し買いが入り、全体相場を支える展開だった。主要指標のNYダウが前営業日比0.3%高と3日ぶり、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.6%高と4日ぶりにそれぞれ反発している。今週以降、テスラやアルファベットなど多くのハイテク企業が決算報告する予定で、好決算の先回り買いが優勢となった。また、米大統領選を巡っては、バイデン米大統領が撤退を表明し、後継にハリス副大統領を指名。野党・共和党候補のトランプ前大統領が優位と見た売買も巻き戻されている。トランプ氏の政策では、半導体業界に逆風が吹くと懸念されていた。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は4.0%上昇し、主要指数をアウトパフォームしている。個別ではGPU(画像処理半導体)のエヌビディアが4.8%高。米政府の輸出規制に対応した中国向けの半導体を開発していると伝わり材料視された。
 ADR(米国預託証券)上場する中国銘柄も高い。中国企業のADRで構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)が2.8%上昇している。香港との重複上場銘柄では、小鵬汽車(エックスポン:9868/HK、XPEV/NYSE)が6.5%高、蔚来汽車(9866/HK、NIO/NYSE)が5.0%高、携程集団(トリップドットコム・グループ:9961/HK、TCOM/NASDAQ)が4.3%高などと上げが目立った。
 内部環境も悪くない。中国の景気鈍化懸念は依然として続いているものの、当局は景気テコ入れスタンスを強めている。中国人民銀行(中央銀行)が22日発表した最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」は据え置き予想に反し、銀行貸出指標の1年物LPRで3.45→3.35%、住宅ローン金利指標の5年物LPRで3.95→3.85%に引き下げられた。ほか人民銀は、同日付で7日物リバースレポ取引の金利を1.8→1.7%に引き下げると発表。公開市場操作(オペ)のメカニズムを最適化し、実体経済への支援を強化する方針と説明した。人民銀が予想外の金融緩和に舵を切る中、他部署や地方政府も景気浮揚に向けた対策を打ち出すとの見方が広がっている。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは買いが先行しそうだ。中国の景気テコ入れスタンスに加え、昨夜の米ハイテク株高が追い風となろう。ただ、米中関係の悪化懸念が強まっていることもあり、買い一巡後は上値の重さも意識されそうだ。




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