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2024/08/14 08:44

上値の重い展開か、中国の融資縮小を不安視 無料記事

◆14日の香港マーケットは、中国の景気懸念で上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はポジティブ。13日の米株市場は、インフレ鈍化が材料視される展開だった。主要指標のNYダウが前日比1.0%高と反発し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が2.4%高と4日続伸している。朝方公表された7月の米生産者物価指数(PPI)が予想を下回り、米連邦準備理事会(FRB)が利下げしやすくなると好感された。この日の米債券市場では、米10年債利回りの低下が続き、今年の最低水準に迫っている。米株市場の不安心理を表すVIX(20を超えると不安心理が高まった状態とされる通称「恐怖指数」)は前日比で12.51%低い18.12で終了。20を割り込むのは8月1日以来だ。
 ただ、中国銘柄は伸び悩み。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は0.2%上昇にとどまった。蔚来汽車(9866/HK、NIO/NYSE)や小鵬汽車(エックスポン:9868/HK、XPEV/NYSE)などは上昇したが、騰訊HD(テンセント00/HK)傘下で音楽配信大手の騰訊音楽娯楽集団(テンセント・ミュージック:1698/HK、TME/NYSE)が15.3%安と急落している。TMEが公表した4〜6月期決算によれば、ソーシャルエンターテインメント部門が大幅減収となり、月間利用者数(MAU)も市場予想以上に減った。
 中国国内では新規の不安材料が浮上。中国人民銀行(中央銀行)が13日に公表した7月の金融統計では、マネーサプライ(通貨供給量)M2の伸びが予想をやや上回ったものの、人民元建て新規融資額が予想を大幅に下回った。融資額は前月比でおよそ88%縮小し、15年ぶりの低水準となっている。企業や個人の需要低迷が危ぐされる状況だ。
 なお、中国ではあす15日、7月の小売売上高や鉱工業生産などが発表される。そのほか、香港に上場する主要な企業の決算報告も集中。きょう14日に電能実業(6/HK)や騰訊HD(700/HK)、京東集団(9618/HK)、15日に長江和記実業(1/HK)や銀河娯楽集団(27/HK)、中国聯通(762/HK)、永利澳門(1128/HK)、李寧(2331/HK)、京東物流(2618/HK)、京東健康(6618/HK)、16日に香港中華煤気(3/HK)や中興通訊(763/HK)、金沙中国(1928/HK)などが中間決算を発表する。そのほか、14日に阿里巴巴集団HD(9988/HK)が第1四半期決算を公表する予定だ。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。米利下げ期待が一段と高まり、米長期債利回りが低下したことはプラスとなるものの、中国の融資縮小が不安視されそうだ。



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