2024/10/02 08:53
上値の重い展開か、中東情勢の緊迫化を懸念
◆休場明け2日の香港マーケットは、中東情勢の不透明感で上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
外部環境はややネガティブ。1日の米株市場は、中東情勢の緊迫化が投資家のリスク回避スタンスを強める展開だった。主要指標のNYダウが前日比0.4%安と4日ぶりに反落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数も1.5%安と反落している。イスラエルとイランの軍事衝突が懸念された。イランは1日、友好組織であるレバノンの新イラン武装派組織ヒズボラに対する攻撃の報復措置として、イスラエルに弾道ミサイル攻撃を実施。イスラエルは報復措置を示唆し、イランは自国への攻撃があれば一段の攻撃に踏み切るとけん制した。地政学リスクが高まる中、米株市場の不安心理を表すVIX(20を超えると不安心理が高まった状態とされる通称「恐怖指数」)は前日比で15.12%高い19.26で終了。一時、節目の20を上回る場面もあった。また、NYダウは前日まで連日で史上最高値を更新していただけに、売り圧力も意識されたほか、パウエル米連邦準備理事会(FRB)が利下げを急がないと発言したことも改めて重しとなっている。
半面、中国銘柄はしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は5.5%高と続伸した。主要な香港との重複上場銘柄では、ビリビリ(9626/HK、BILI/NASDAQ)が14.3%高、理想汽車(リ・オート:2015/HK、LI/NASDAQ)が11.5%高、京東集団(JDドットコム:9618/HK、JD:NASDAQ)が7.3%高、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK、BABA/NYSE)が6.2%高、蔚来汽車(9866/HK、NIO/NYSE)が5.2%高などとなっている。理想汽車などEV関連については、各社が1日までに公表した9月の販売実績が好調だったことを好感した。
資源相場に関しては、NY商品市場でWTI原油先物が2.4%高と反発。2日朝の時間外取引でも上昇している。金先物価格も1.2%高と3日ぶりに反発した。ロンドン金属取引所(LME)では、主要産品が概ね堅調だった。
中国国内の環境も安定的。中国当局は今年の経済成長目標(5.0%前後)達成に向け、景気刺激策を集中して打ち出している。この動きを受け、投資ファンドやブローカーなども投資判断を相次ぎ上方修正。米資産運用大手のブラックロックは1日、中国株の投資判断を「中立」から「オーバーウエート」に引き上げた。
なお、中国本土は国慶節の大型連休がスタートしている。中国本土市場は10月1〜7日が休場。香港は前日(1日)が休場だった。
こうした中、本日の香港マーケットは全体として上値の重い展開か。中国の景気支援策に対する期待感は続いているものの、中東地域の地政学リスクが懸念材料だ。ハンセン指数は9月30日まで5日続伸し、約1年7カ月半ぶりの高値圏で推移しているだけに売り圧力も高まっている。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
外部環境はややネガティブ。1日の米株市場は、中東情勢の緊迫化が投資家のリスク回避スタンスを強める展開だった。主要指標のNYダウが前日比0.4%安と4日ぶりに反落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数も1.5%安と反落している。イスラエルとイランの軍事衝突が懸念された。イランは1日、友好組織であるレバノンの新イラン武装派組織ヒズボラに対する攻撃の報復措置として、イスラエルに弾道ミサイル攻撃を実施。イスラエルは報復措置を示唆し、イランは自国への攻撃があれば一段の攻撃に踏み切るとけん制した。地政学リスクが高まる中、米株市場の不安心理を表すVIX(20を超えると不安心理が高まった状態とされる通称「恐怖指数」)は前日比で15.12%高い19.26で終了。一時、節目の20を上回る場面もあった。また、NYダウは前日まで連日で史上最高値を更新していただけに、売り圧力も意識されたほか、パウエル米連邦準備理事会(FRB)が利下げを急がないと発言したことも改めて重しとなっている。
半面、中国銘柄はしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は5.5%高と続伸した。主要な香港との重複上場銘柄では、ビリビリ(9626/HK、BILI/NASDAQ)が14.3%高、理想汽車(リ・オート:2015/HK、LI/NASDAQ)が11.5%高、京東集団(JDドットコム:9618/HK、JD:NASDAQ)が7.3%高、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK、BABA/NYSE)が6.2%高、蔚来汽車(9866/HK、NIO/NYSE)が5.2%高などとなっている。理想汽車などEV関連については、各社が1日までに公表した9月の販売実績が好調だったことを好感した。
資源相場に関しては、NY商品市場でWTI原油先物が2.4%高と反発。2日朝の時間外取引でも上昇している。金先物価格も1.2%高と3日ぶりに反発した。ロンドン金属取引所(LME)では、主要産品が概ね堅調だった。
中国国内の環境も安定的。中国当局は今年の経済成長目標(5.0%前後)達成に向け、景気刺激策を集中して打ち出している。この動きを受け、投資ファンドやブローカーなども投資判断を相次ぎ上方修正。米資産運用大手のブラックロックは1日、中国株の投資判断を「中立」から「オーバーウエート」に引き上げた。
なお、中国本土は国慶節の大型連休がスタートしている。中国本土市場は10月1〜7日が休場。香港は前日(1日)が休場だった。
こうした中、本日の香港マーケットは全体として上値の重い展開か。中国の景気支援策に対する期待感は続いているものの、中東地域の地政学リスクが懸念材料だ。ハンセン指数は9月30日まで5日続伸し、約1年7カ月半ぶりの高値圏で推移しているだけに売り圧力も高まっている。
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