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2024/07/04 08:36

しっかりか、米長期金利低下が支えに 無料記事

◆4日の香港マーケットは、米長期金利の低下を手がかりにしっかりか。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は安定的。独立記念日の前日で短縮取引となった3日の米株市場は、米利下げ期待を支えに全体としてはしっかりとした展開だった。主要指標のNYダウは3日ぶりに反落したが、下げ率は0.1%にとどまり、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.9%高と3日続伸している。ナスダック指数は連日で史上最高値を更新した。弱い経済指標の結果が相次ぐ中、米連邦準備理事会(FRB)は9月にも利下げに動くとの観測が広がった。6月のADP全米雇用リポートで、(政府部門を除く)非農業部門の雇用者数が15万人増にとどまり、予想を下回る伸びとなったほか、新規失業保険申請件数(週間)が前週から予想以上に増加し、継続受給者数は9週連続で増加している。また、米サプライマネジメント協会(ISM)が発表した6月の非製造業景況感指数は予想を下回る48.8に悪化し、景況判断の境目となる50を2カ月ぶりの割り込んだ。2020年5月以来、4年1カ月ぶりの低水準となっている。利下げ前倒し観測が強まり、米債券市場では米10年債利回りが前日終値(4.43%)を大幅に下回る4.3%台半ばで推移した。ハイテクなど高PER(株価収益率)のグロース(成長)株が物色され、ナスダック指数を押し上げている。
 一方、内部環境は好悪材料が入り混じる状況。消費やサービスなど非製造業の景況感が鈍化していることはマイナスだ。3日発表された今年6月の財新サービス業購買担当者指数(PMI)は51.2にとどまり、市場予想(53.4)以上に、前月実績(54.0)から大幅に低下している。それより先に発表された同月の非製造業PMI(国家統計局などによる)も予想以上に前月から減速した。内需の不振が不安視されている。半面、経済対策の期待感が高まっていることはプラス。中期的な重要政策の方針を話し合う第20期中央委員会第3回全体会議(3中全会)は、今月15〜18日に開かれる予定だ。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体としてしっかりとした展開か。米長期金利の低下が好感されそうだ。中国経済対策の期待感も引き続き支えとなろう。ただ、人民元安進行の警戒感がくすぶっているだけに、為替動向には注意したい。


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