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2024/07/09 08:35

上値の重い展開か、投資家心理が悪化 無料記事

◆9日の香港マーケットは、投資家心理が悪化する中で上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は安定的。8日の米株市場は、米利下げ観測が相場を支える展開だった。主要指標のNYダウは前営業日比0.1%安と小反落したが、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.3%高と5日続伸し、連日で史上最高値を更新。ほか、機関投資家がベンチマークとして重要視するS&P500指数が0.1%上昇し、連日で最高値を切り上げた。米雇用統計で労働市場の軟化がみられたことを受け、米連邦準備理事会(FRB)が9月にも利下げに動くとの見方が広がっている。ただ、今週はパウエルFRB議長の議会証言や物価指標の発表もあり、内容を見極めたいとするムードも漂った。
 一方、内部環境は依然として不透明。中でも、本土の内需不振がネガティブ材料だ。先週までに公表された消費やサービスなど非製造業の景況感指数は、官民そろって弱い内容となっている。そのほか、業界団体の発表によれば、6月の乗用車小売台数は前年同月比で6.7%減少し、マイナス成長が3カ月続いたことも明らかとなった。なお、中国では10日に6月の物価統計、12日に6月の貿易統計、15日に6月の小売売上高や鉱工業生産などのほか、第2四半期のGDP成長率、15日までに6月の金融統計が公表される予定だ。
 対外関係の悪化も気がかり。11月の米大統領選を前に、8日公表された候補者のトランプ前米大統領が選挙公約に掲げる野党・共和党の綱領案は、中国からの輸入品に対する関税を引き上げることが含まれた。また、共和党のジョンソン下院議長は8日、中国からの小口輸入品に対する関税を強化するなどの対中関連の法案パッケージを年内に成立させると述べている。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。米ハイテク株高や、中国の経済対策に対する期待感などは支えになりそうだが、上述したように、対外関係の悪化が気がかり材料だ。また、中国の内需不振も引き続き相場の足かせとなろう。


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