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2020/05/15 09:01

神経質な値動きか、中国経済統計を注視 無料記事

◆15日の香港マーケットは、中国経済統計をにらみながら神経質な値動きか。
 外部環境は安定的。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比1.6%高と4日ぶり、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.9%高と3日ぶりにそれぞれ反発した。原油高が投資家心理を改善させる。WTI原油先物は8.6%高と急反発し、約1カ月ぶりの高値を付けた。国際エネルギー機関(IEA)の月報によれば、5月の世界産油量は歴史的な減産となる見通し。世界各国の経済活動再開で消費量も回復しつつあり、需給改善が期待された。他方、米労働省が14日発表した新規失業保険申請件数(週間)は予想(250万件)を上回る298万1000件に上った。増加ペースは鈍化しているとはいえ、依然として高水準。米経済の先行き不安が意識されるなかで、指数は安く推移する場面もあった。
 一方、14日の中国本土マーケットは、主要指標の上海総合指数が1.0%安と反落。新型コロナウイルス感染が再拡大するなかで、投資家のリスク回避スタンスがやや強まった。感染者が増えた吉林市や武漢市などでは、一部で隔離措置がとられるなど行動規制が再び強化されている。経済活動の正常化に時間がかかると危ぐされた。また、米中対立の警戒感もくすぶる状況。新型コロナ感染拡大の“責任論”を巡り、トランプ米大統領は対中批判を繰り返している。
 本日は取引時間中(日本時間午前11時ごろ)に、国家統計局が4月の各種経済統計(小売売上高や鉱工業生産など)を公表する予定だ。直近のコンセンサス予想では、総じて前月からの改善が見込まれている。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは中国の経済指標に左右される展開か。先行して発表された4月の経済統計では、輸出や融資が上振れている。本日公表の各種統計が良好な結果だった場合、投資家のリスク選好が高まる可能性もあろう。


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