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2024/11/15 08:44

米株安を嫌気し上値の重い展開か、中国指標に注視 無料記事

◆15日の香港マーケットは、米株安を嫌気し上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はややネガティブ。14日の米株市場は、米利下期待の後退で売られる展開だった。主要指標のNYダウは前日比0.5%安と反落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.6%安と3日続落している。パウエル米連邦準備理事会(FRB)は14日、「米経済は驚くほど良好だ」としたうえで、「経済は利下げを急ぐ必要性のあるシグナルを送っていない」と発言。FRBが次回の12月会合で利下げを見送るとの不安もくすぶった。足元では、米労働省が報告した新規失業保険申請件数(週間)は予想に反して減少。10月の米卸売物価指数(PPI)は前年同月比で2.4%上昇し、伸びは前月の1.9%から加速した。インフレ懸念も再燃している。
 中国銘柄もさえない。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は1.8%安と3日続落した。主要な香港との重複上場銘柄では、ビリビリ(9626/HK、BILI/NASDAQ)が12.6%安、京東集団(JDドットコム:9618/HK、JD:NASDAQ)が6.6%安、小鵬汽車(XPEV/NYSE、9868/HK)が5.4%安と下げが目立っている。ビリビリの7〜9月期決算では、純損失が前年同期から大幅に縮小したが好感する買いはみられなかった。京東集団の7〜9月期決算は5.1%増収47.8%増益と堅調だったが、売上高が予想を下回っている。
 商品相場に関しては、原油相場が0.4%高と3日続伸する一方、金先物は0.5%安と5日続落し、約2カ月ぶりの安値を付けた。ロンドン金属取引所(LME)では、銅やアルミなど主要産品の値下がりが続いている。
 一方、中国ではきょう15日、10月の各種統計(小売売上高や鉱工業生産など)が集中して発表される。最新のコンセンサス予想では、小売売上高が9月の3.2%増から3.8%増、鉱工業生産が9月の5.4%増から5.6%増などと概ね改善する見通しだ。香港上場企業の四半期決算報告も進む。きょう15日は石薬集団(1093/HK)や阿里巴巴集団HD(9988/HK)、週明け18日は小米集団(1810/HK)、19日は小鵬汽車(9868/HK)や携程集団(9961/HK)などが予定されている。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。昨夜の米株安がマイナス材料だ。ただ、中国指標の内容次第では、買戻しが入る期待もある。前日のハンセン指数は約1カ月半ぶりの安値水準を切り下げたとあって、値頃感も着目されそうだ。


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