◆週明け19日の香港マーケットは、米株高を追い風に続伸しそうだ。(亜州リサーチ編集部)
　外部環境は良好。16日の米株市場は、米経済のソフトランディング（軟着陸）期待が高まる中で買われる展開だった。主要指標のNYダウが前日比0.2％高と4日続伸し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.2％高と7日続伸している。ミシガン大学が発表した8月の消費者信頼感指数（速報値）は67.8となり、予想（66.9）以上に7月確報値（66.4）から上昇した。7月の米住宅着工件数は予想を下回ったものの、足元では7月の米小売売上高が大幅に上振れたこともあり、米景気の過度な減速懸念は後退した。
　中国銘柄もしっかり。中国企業のADR（米国預託証券）で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数（HXC）は1.9％上昇した。主要な香港との重複上場銘柄では、京東集団(JDドットコム：9618/HK、JD:NASDAQ) が8.5高、阿里巴巴集団HD（アリババ・グループ・ホールディング：9988/HK、BABA/NYSE）が4.6％高、百度集団（バイドゥ：9888/HK、BIDU/NASDAQ）が3.2％高、蔚来汽車（9866/HK、NIO/NYSE）が3.1％高などと値を上げている。
　内部環境も悪くない。香港で佳境に入りつつある主要企業の中間決算報告では、増益や黒字転換など業績改善が目立っている。増配方針を発表する企業も相次ぐ状況だ。
　今週は、きょう19日に華潤ビールHD(291/HK)や中国建築国際集団(3311/HK)、20日に中国電信(728/HK)や快手科技(1024/HK)、舜宇光学科技(2382/HK)、小鵬汽車(9868/HK)、21日に恒基兆業地産(12/HK)や吉利汽車HD(175/HK)、石薬集団(1093/HK)、小米集団(1810/HK)、薬明生物技術(2269/HK)、22日に大唐国際発電(991/HK)や華晨中国汽車HD(1114/HK)、AIAグループ(1299/HK)、瑞声科技HD(2018/HK)、中国平安保険(2318/HK)、イ柴動力(2338/HK)、碧桂園服務HD(6098/HK)、百度集団(9888/HK)、網易(9999/HK)、23日に中国石油化工(386/HK)や龍湖集団HD(960/HK)、中国中煤能源(1898/HK)、新奥能源HD(2688/HK)、紫金鉱業集団(2899/HK)、洛陽欒川モリブデン業集団(3993/HK)などが予定されている。
　ほか、中国ではあす20日（日本時間10時ごろ）、実質的な政策金利となる8月の最優遇貸出金利「ローンプライムレート（LPR）」が発表される予定。銀行貸出の指標となる1年物LPRは現行の3.35％、住宅ローン金利の指標となる5年物LPRは3.85％に据え置かれる見通しだ。
　こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体としてしっかりか。中国企業の業績期待が続くほか、先週末の米株高も好感されよう。


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