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2024/06/28 08:45

売り先行か、中国経済に不透明感 無料記事

◆28日の香港マーケットは、中国経済の先行き不安で売り先行か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は安定的。27日の米株市場は、米長期金利の低下が相場を支える展開だった。主要指標のNYダウが前日比0.1%高と続伸し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.3%高と3日続伸している。米景気の減速懸念がくすぶる中、米債券市場では米10年債利回りが再び低下した。米労働省が27日発表した資料によれば、失業保険の継続受給者数は2021年末以来の高水準に達している。失業期間の長期化を防ぐため、金融当局は利下げで経済を支えるとの期待が高まった。ただ、全体としては動意を欠く。27日夕(日本時間28日午前10時)に米大統領選向けた候補者のテレビ討論会が開かれるほか、米金融政策に影響を与える5月の米個人消費支出(PCE)物価指数の発表を28日に控え、様子見ムードも漂った。
 一方、ADR(米国預託証券)上場する中国銘柄はさえない。中国企業のADRで構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)が2.2%下落している。蔚来汽車(9866/HK、NIO/NYSE)や京東集団(JDドットコム:9618/HK、JD:NASDAQ) 、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK、BABA/NYSE)など主要銘柄が軒並み売られた。
 中国国内の環境も不透明。景気懸念が強まっている。27日に公表された5月の工業企業利益は前年同月比で0.7%増にとどまり、4月の4.0%増から大幅に鈍化した。今月に入り中国で報告された経済指標では、内需の不振を示唆する内容が多く見られる。人民元安の進行もマイナス。27日の上海外国為替市場では、対米ドルの人民元が10日続落し、一時、約7カ月半ぶりの元安水準を付けた。中国人民銀行(中央銀行)は27日朝方、人民元レートの対米ドル基準値を7日続けて元安方向に設定している。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは売りが先行しそうだ。米長期金利の低下は支えになりそうだが、人民元安の進行や中国景気の鈍化懸念が投資家心理の重しとなろう。また、11月の米大統領選に向けたバイデン米大統領とトランプ前大統領の討論会も気がかり。両者とも中国に対する強硬路線を取っているだけに、発言内容に注意したい。


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