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2024/11/28 08:43

上値の重い展開か、新規材料に乏しく 無料記事

◆28日の香港マーケットは、新規材料に乏しい中で上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は中立。27日の米株市場は、休場を前に利食い売りが優勢となる展開だった。前日まで連日で史上最高値を更新していた主要指標のNYダウが前日比0.3%安と6日ぶりに反落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.6%安と5日ぶりに反落している。米株市場は28日、感謝祭の祝日で休場となり、翌29日は短縮取引だ。そのあとは週末となるため、休暇に入る市場参加者も多く、いったん利益を確定する売りが出ている。ただ、全体としては底堅い。米景気の先行き期待が続き、NYダウはプラス圏で推移する場面もあった。雇用情勢の改善が続く。米労働省が27日発表した新規失業保険申請件数(週間)は、前週比2000件減の21万3000件となり、予想を下回った。減少は前週から続いている。
 中国銘柄はしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は2.8%高と反発した。主要な香港との重複上場銘柄では、理想汽車(リ・オート:2015/HK、LI/NASDAQ)が6.8%高、京東集団(JDドットコム:9618/HK、JD:NASDAQ)が5.3%高、小鵬汽車(XPEV/NYSE、9868/HK)が4.6%高、ビリビリ(9626/HK、BILI/NASDAQ)が4.4%高と上げが目立っている。
 商品相場に関しては、原油相場が0.1%安と小幅に3日続落する一方、この日から中心限月が2月物になった金先物は0.7%上昇。ロンドン金属取引所(LME)では、銅先物が上昇しアルミ先物が下落するなど主要産品がまちまちだった。
 一方、中国本土の環境はそれほど悪くない。企業業績の持ち直しが期待されている。10月の工業企業利益は前年同月比10%減だったが、減少率は9月の27.1%から縮小した。追加経済対策の期待も根強い。当局は経済成長目標達成のため、金融・財政政策を強めるとの見方だ。金融政策に関しては、年内に預金準備率が引き下げられるとの観測も流れている。
 なお、中国では週末30日に11月の中国製造業PMI(国家統計局などが集計)と非製造業PMI、12月2日に民間集計の財新・中国製造業PMI、4日に財新・中国サービス業PMIが4日に発表される予定だ。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。中国の追加経済対策に対する期待感や、米景気の先行き楽観などは支えとなりそうだが、新規の取引材料には乏しい状況だ。週末の中国指標発表が気がかり材料として意識される可能性もあろう。


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