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2024/12/05 08:45

神経質な値動きか、中国の政策動向が気がかり 無料記事

◆5日の香港マーケットは、中国の政策動向見極めで神経質な値動きか。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はポジティブ。4日の米株市場は、AI(人工知能)産業の拡大期待が投資家心理を上向かせる展開だった。主要指標のNYダウは前日比0.7%高と3日ぶりに反発し、再び史上最高値を更新。ハイテク株比率の大きいナスダック指数は1.3%高と4日続伸し、連日で最高値を更新した。ほか、機関投資家がベンチマークとして重要視するS&P500指数が0.6%上昇し、連日で最高値を更新している。米顧客管理ソフト大手のセールスフォースが発表した8〜10月期決算はクラウド事業の堅調で売上高が予想を上回り、AIを組み込んだ新サービスに対する期待が膨らむ中で株価は11%上昇した。需要増の期待で半導体株に買いが入り、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は1.7%上昇。主要株価指数をアウトパフォームした。雇用指標の軟化を受け、米利下げ観測も強まる。11月のADP全米雇用リポートは、(政府部門を除く)非農業部門の雇用者数が14万6000人増となり、市場予想(15万人増)をやや下回った。
 半面、中国銘柄はさえない。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は1.4%安と5日ぶりに反落した。主要な香港との重複上場銘柄では、京東集団(JDドットコム:9618/HK、JD:NASDAQ)が3.7%安、微博(ウェイボー:9898/HK、WB/NASDAQ)が3.3%安、百度(バイドゥ:9888/HK、BIDU/NASDAQ)が1.5%安と下げが目立っている。
 商品相場に関しては、原油相場が2.0%安と3日ぶりに反落する一方、金先物が0.3%高と続伸。ロンドン金属取引所(LME)では、主要産品の値動きがまちまちだった。
 一方、内部環境はやや不透明。中国経済の鈍化が警戒されている。中国共産党系メディアの人民日報は4日の社説で、中国は特定の成長率達成にこだわらないとし、5%未満の成長率でも容認できるとの見解を示した。外電は先ごろ、来週11日から2日間の日程で開催される「中央経済工作会議」に向け、中国政府のアドバイザーが2025年の経済成長率目標を「5.0%前後」に維持するよう提案したと報じている。また、中央経済工作会議の開催を前に、今週末〜来週初めにも中央政治局会議が開かれる見通しだ。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。中国の重要会議を前に、政策動向を見極めたいとするムードが強まりそうだ。ほか、米中対立の激化や、人民元相場の動向なども気がかり材料となる。


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