2025/09/11 09:01 NEW!!
売り先行か、内外に不安材料 
◆11日の香港マーケットは、内外の不安材料で売り先行か。(亜州リサーチ編集部)
外部環境には気がかり材料がある。米国では11日、米金融政策に与える影響が大きい8月の消費者物価指数(CPI)が公表される予定。米連邦準備理事会(FRB)が来週(17〜18日)の連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%利下げすることは確実視されているが、インフレ動向によっては、その後の利下げペースが鈍化する可能性もある。先行して10日に発表された同月の卸売物価指数(PPI)は前月比で0.1%下落し、予想(0.3%上昇)を下回ったが、市場関係者の間からは「一段の利下げにつながるほどではない」との声も聞かれた。そのほか、欧州で地政学リスクが高まったこともマイナス。ポーランドのトゥスク首相は10日、ロシア軍のドローン(無人機)19機が領内に侵入し、4機を撃墜したと述べている。欧州連合(EU)は同日、ロシアを非難し、ロシアとその支援国に対する制裁を大幅に強化するとの声明を発表した。また、9日にはイスラエル軍がイスラム組織ハマスの幹部を標的に、カタールの首都ドーハで空爆を行ったことも明らかとなっている。
10日の米株市場はまちまち。主要指標のNYダウが前日比0.5%安と3日ぶりに反落した。前日に史上最高値を更新したこともあり、米CPIの公表前に利益確定売りが優勢となっている。一方、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.03%高と小幅ながら3日続伸し、連日で最高値を更新。機関投資家がベンチマークとして重視するS&P500指数は0.3%高と3日続伸し、前日に付けた最高値を切り上げた。利益確定売りの圧力はあったが、S&P500指数構成銘柄の米1T大手オラクルが35.9%高と急騰し、ハイテク関連の上昇を後押ししている。オラクルが報告した四半期決算では、旺盛な人工知能(AI)需要を追い風に、今年度の売上高見通しが市場予想を大幅に上回った。
中国銘柄はさえない。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は1.0%安と4日ぶりに反落している。主要な香港との重複上場銘柄では、蔚来汽車(NIO/NYSE、9866/HK)が8.8%安、小鵬汽車(エックスポン:9868/HK、XPEV/NYSE)が3.1%安、万国数拠HD(GDS/NASDAQ、9698/HK)が2.2%安、名創優品集団HD(MNSO/NY、9896/HK)が2.2%安と下げが目立った。新興EV(電気自動車)メーカーの蔚来集団は10日、新株発行による資金調達計画を発表し、売り材料視されている。
内部環境もやや不透明。中国のデフレが不安視されている。10日発表された8月の中国物価統計では、消費者物価指数(CPI)が前年同月比でマイナス0.4%と前月の横ばいから下落に転じた。内需の弱さが指摘されている。なお、中国では来週15日に8月の小売売上高や鉱工業生産、1〜8月の不動産投資などが発表される予定。8月の金融統計も15日までに報告される。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは売りが先行する流れか。中国の政策に対する期待感は引き続き支えとなるが、内外環境の不透明感が重しとなりそうだ。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
外部環境には気がかり材料がある。米国では11日、米金融政策に与える影響が大きい8月の消費者物価指数(CPI)が公表される予定。米連邦準備理事会(FRB)が来週(17〜18日)の連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%利下げすることは確実視されているが、インフレ動向によっては、その後の利下げペースが鈍化する可能性もある。先行して10日に発表された同月の卸売物価指数(PPI)は前月比で0.1%下落し、予想(0.3%上昇)を下回ったが、市場関係者の間からは「一段の利下げにつながるほどではない」との声も聞かれた。そのほか、欧州で地政学リスクが高まったこともマイナス。ポーランドのトゥスク首相は10日、ロシア軍のドローン(無人機)19機が領内に侵入し、4機を撃墜したと述べている。欧州連合(EU)は同日、ロシアを非難し、ロシアとその支援国に対する制裁を大幅に強化するとの声明を発表した。また、9日にはイスラエル軍がイスラム組織ハマスの幹部を標的に、カタールの首都ドーハで空爆を行ったことも明らかとなっている。
10日の米株市場はまちまち。主要指標のNYダウが前日比0.5%安と3日ぶりに反落した。前日に史上最高値を更新したこともあり、米CPIの公表前に利益確定売りが優勢となっている。一方、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.03%高と小幅ながら3日続伸し、連日で最高値を更新。機関投資家がベンチマークとして重視するS&P500指数は0.3%高と3日続伸し、前日に付けた最高値を切り上げた。利益確定売りの圧力はあったが、S&P500指数構成銘柄の米1T大手オラクルが35.9%高と急騰し、ハイテク関連の上昇を後押ししている。オラクルが報告した四半期決算では、旺盛な人工知能(AI)需要を追い風に、今年度の売上高見通しが市場予想を大幅に上回った。
中国銘柄はさえない。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は1.0%安と4日ぶりに反落している。主要な香港との重複上場銘柄では、蔚来汽車(NIO/NYSE、9866/HK)が8.8%安、小鵬汽車(エックスポン:9868/HK、XPEV/NYSE)が3.1%安、万国数拠HD(GDS/NASDAQ、9698/HK)が2.2%安、名創優品集団HD(MNSO/NY、9896/HK)が2.2%安と下げが目立った。新興EV(電気自動車)メーカーの蔚来集団は10日、新株発行による資金調達計画を発表し、売り材料視されている。
内部環境もやや不透明。中国のデフレが不安視されている。10日発表された8月の中国物価統計では、消費者物価指数(CPI)が前年同月比でマイナス0.4%と前月の横ばいから下落に転じた。内需の弱さが指摘されている。なお、中国では来週15日に8月の小売売上高や鉱工業生産、1〜8月の不動産投資などが発表される予定。8月の金融統計も15日までに報告される。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは売りが先行する流れか。中国の政策に対する期待感は引き続き支えとなるが、内外環境の不透明感が重しとなりそうだ。
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