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2025/09/18 08:47 NEW!!

上値の重い展開か、米利下げ決定も想定内 無料記事

◆18日の香港マーケットは、米利下げ決定も好材料の出尽くし感で上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境には好材料がある。米連邦準備理事会(FRB)は17日(日本時間18日未明)まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で、予想通り6会合ぶりに0.25%の利下げを決定した。FOMC参加者による政策金利見通しによると、年内に0.25%の利下げを2回実施する見通しとなっている。ただ、パウエルFRB議長はその後の記者会見で、米関税がインフレに与える影響は今後高まる可能性があるとし、今後の大幅利下げに慎重な見方を示した。
 16日の米株市場はまちまち、主要指標のNYダウが前日比0.6%高と反発する一方、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.3%安と続落した。米利下げが米経済を支えるとの期待は根強いが、利下げは想定内との指摘もあり、好材料の出尽くし感を意識した売りも散見されている。また、米債券市場で長期金利の指標となる10年債利回りが上昇に転じたことも(債券価格は3日ぶり反落)、ハイテクなど高PER(株価収益率)のグロース(成長)株などにとっての逆風となった。
 中国銘柄はしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は2.9%高と3日続伸している。主要な香港との重複上場銘柄では、百度(バイドゥ:BIDU/NASDAQ、9888/HK)が11.3%高、万国数拠HD(GDS/NASDAQ、9698/HK)が7.6%高、蔚来汽車(NIO/NYSE、9866/HK)が6.1%高と上げが目立った。中国のインターネット検索最大手、百度集団に関しては、英調査会社が最新リポートで、同社の半導体やクラウド事業に強気な見通しを示し、投資判断を「売り」から「買い」に引き上げたことも支援材料となっている。
 内部環境には悪材料と好材料が交錯。足もとでは中国経済の鈍化懸念が強まっている。今月公表された経済統計は総じて軟調なものとなり、8月の若年失業率は統計方法を変更した2023年12月以降で最悪を記録した。一方、中国当局は今年の経済成長目標「5.0%前後」達成のため、景気対策を強めている。直近では、商務部など9部門が16日、景気対策の一環として「サービス消費拡大に関する若干の政策措置」を連名で発表し、消費の喚起と内需の拡大を図る方針を明らかにした。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。米利下げを受け、金融政策で米国に追随する香港も政策金利を引き下げるなど、金融緩和の動きは好感されそうだが、いったん好材料の出尽くし感が意識される可能性もある。前日の香港市場では、ハンセン指数が4年2カ月ぶりの高値水準を回復したこともあり、利益確定売りも出やすい状況だ。本土市場では、上海総合指数が約10年ぶりの高値水準で推移している。


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