/ 詳細
検索 (期間指定)
期間
亜州リサーチFacebook公式ページ 亜州リサーチYoutube公式チャンネル

2025/01/09 08:47

神経質な値動きか、米中指標が気がかり 無料記事

◆9日の香港マーケットは、内外の指標発表を控え神経質な値動きか。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はやや不透明。8日の米株市場は、様子見ムードが漂う中で方向感を欠く展開だった。主要指標のNYダウは3日ぶりに反発したが、上昇率は前日比0.3%高にとどまり、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.1%安と続落している。9日はカーター元米大統領の国葬で休場となるほか、10日は2024年12月の米雇用統計が公表される予定だ。先行して発表された労働関係の指標はまちまち。12月のADP全米雇用リポートでは、(政府部門を除く)非農業部門の雇用者数が12万2000人増にとどまり、伸びは11月から鈍化し、予想も下回った。半面、新規失業保険申請件数(週間)は増加予想に反して減少し、11カ月ぶりの低水準となっている。一方、午後に公開された米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨(24年12月17〜18日開催分)では、参加者が「インフレが上振れするリスクが増えた」との考えを示していたことが判明。米債券市場では米10年債利回りの上昇が続き、一時、24年4月以来の高水準を付けた。ハイテクなど高PER(株価収益率)のグロース(成長)株などにとっての逆風となっている。
 中国銘柄もさえない。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は0.7%安と3日続落した。主要な香港との重複上場銘柄では、小鵬汽車(XPEV/NYSE、9868/HK)が5.6%安、蔚来汽車(NIO/NYSE、9866/HK)が4.2%安、ビリビリ(BILI/NASDAQ、9626/HK)が3.7%安と下げが目立っている。
 商品相場は、WTI原油先物が1.3%安と反落する一方、金先物が0.3%高と続伸。ロンドン金属取引所(LME)は、銅が上昇する半面、アルミが下落するなど主要産品がまちまちだった。
 内部的には、中国指標が気がかり。今週から来週にかけ、12月の各種経済統計の公表が集中する。きょう9日に物価、13日に貿易、17日に小売売上高や鉱工業生産などと24年のGDP成長率、15日に金融など。本日朝方(日本時間10時半ごろ)に報告される物価統計に関しては、消費者物価指数(CPI)の上昇率が前年同月比プラス0.1%(前月はプラス0.2%)、生産者物価指数(PPI)がマイナス2.4%(同マイナス2.5%)で着地するとの見通しが市場コンセンサスだ。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。米中の指標発表を前に、積極的な売買が手控えられそうだ。また、中国当局が消費刺激に向けた対策を強めていることはプラスとなるものの、米長期金利の上昇が投資家心理の重しとなろう。


内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。

関連ニュース同じカテゴリーのニュース