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2025/01/22 08:48 NEW!!

上値の重い展開か、米政策動向が気がかり 無料記事

◆22日の香港マーケットは、米政策動向の見極めで上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は安定的。休場明け21日の米株市場は、「トランプ関税」の過度な警戒感が薄れる中で買われる展開だった。主要指標のNYダウが前営業日比1.2%高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.6%高と続伸している。トランプ米大統領は20日の就任演説で、カナダとメキシコに2月1日付で25%の関税を課すことを検討していると述べたものの、これまで表明していた中国に対する即時の10%関税を見送るなど、輸入品の一律関税に言及はなかった。関税によるインフレ高進の不安がやや薄れ、米債券市場では米10年債利回りが低下している。また、人工知能(AI)インフラの巨額投資方針も関連銘柄にとっての追い風となった。米メディアは21日、トランプ米大統領がAIインフラ構築に向け、最大5000億米ドル規模の民間投資を発表する見通しと報道(その後、正式に発表)。ソフトバンクグループやオープンAI、オラクルが参加する見通しだ。
 中国銘柄はさえない。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は0.4%安と5日ぶりに反落した。主要な香港との重複上場銘柄では、蔚来汽車(NIO/NYSE、9866/HK)が3.9%安、ビリビリ(BILI/NASDAQ、9626/HK)が2.4%安、京東集団(JDドットコム:JD:NASDAQ、9618/HK)が1.3%安と下げが目立っている。
 商品相場は、WTI原油先物が2.6%安と3日続落する一方、金先物が0.4%高と反発。ロンドン金属取引所(LME)では、銅が上昇する一方アルミが下落するなど、主要産品の値動きはまちまちだった。
 一方、内部的には新規材料に乏しい。中国の国家統計局による1月の製造業PMIが27日に発表されることや、28日から始まる春節(旧正月)の大型連休を前に、様子見ムードも漂う状況だ(香港は29日から)。ただ、金融緩和の期待は持続。市場では、春節前の預金準備率引き下げ観測も流れている。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。「トランプ関税」に関しては、即時の発動はなかったものの、状況次第では賦課される可能性もある。米国の政策動向を見極めたいとするスタンスが相場の足かせとなろう。


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