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2025/01/14 08:50

上値の重い展開か、米金利高が逆風 無料記事

◆14日の香港マーケットは、米金利高で上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は依然として不透明。13日の米株市場は、金利動向をにらみながらまちまちの展開だった。主要指標のNYダウが前営業日比0.9%高と反発する一方、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.4%安と4日続落している(ナスダック指数は昨年11月下旬以来の安値)。NYダウは前週末、昨年11月上旬以来の安値を付けたとあって、値ごろ感が着目された。足元の堅調な経済指標を受け、米景気の先行きの明るさも改めて意識されている。半面、米長期金利の上昇は逆風。米連邦準備理事会(FRB)が利下げを当面見送るとの観測が浮上する中、米債券市場では米10年債利回りの上昇が続き、一時、2023年11月以来の高水準を付けた。インフレ動向を見極めたいとするスタンスも強まっている。米国では14日に生産者物価指数(PPI)、15日に消費者物価指数(CPI)が公表される予定だ。個別では、半導体のエヌビディアが2.0%安。バイデン米政権は13日、人工知能(AI)向け先端半導体の輸出規制を見直し、中国などを念頭に、迂回輸出を封じる方針を示した。
 中国銘柄がさえない。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は0.4%安と5日続落した。主要な香港との重複上場銘柄では、新東方教育科技集団(EDU/NYSE、9901/HK)が4.1%安小鵬汽車(XPEV/NYSE、9868/HK)が3.4%安、蔚来汽車(NIO/NYSE、9866/HK)が2.6%安と下げが目立っている。
 商品相場は、WTI原油先物が2.9%高と3日続伸(一時、5カ月ぶり高値)する一方、金先物が1.3%安と5日ぶりに反落。ロンドン金属取引所(LME)は、銅やアルミなど主要産品が概ね上昇した。
 一方、内部環境はそれほど悪くない。中国の貿易が改善している。13日に公表された昨年12月の貿易統計では、米ドル建て輸出が前年同期比で10.7%増となり、市場予想(7.5%増)を大幅に上回った。輸入は1.0%増と予想(1.0%減)に反し拡大し、3カ月ぶりにプラス成長を回復している。当局の通貨防衛策もプラス。中国人民銀行(中央銀行)は13日、企業が海外からの借り入れを拡大できるよう上限を引き上げると発表するなど、当局は人民元安をけん制するスタンスを強化した。外国為替市場では、対米ドルのオフショア人民元が元高に転じている。なお、中国では今週、15日までに金融統計、17日に小売売上高や鉱工業生産、2024年のGDP成長率などが公表される予定だ。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。自律反発狙いの買いが入りそうだが(13日はハンセン指数と上海総合指数がそれぞれ約3カ月半ぶり安値)、米長期金利の上昇が相場の足かせとなろう。米中対立の激化懸念がくすぶっていることもマイナスだ。


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