◆21日の香港マーケットは、トランプ関税発動見送りで買い先行か。(亜州リサーチ編集部)
　外部環境は安定的。20日の米株市場は、キング牧師生誕祭で休場だったが、場が開いていた欧州市場は堅調な値動きだった。米関税に対する警戒感が薄らぐ中、英国のFTSE100指数が0.2％高と4日続伸し、前週末に続き史上最高値を更新。ドイツのDAX指数は0.4％高と5日続伸し、最高値を切り上げている。米メディアは20日、トランプ米大統領は就任初日の20日に、「中国などに対する新たな関税を発動する予定はない」と新政権担当者の話として報じた。トランプ氏は就任演説で具体的な関税計画に言及しなかったが、関税など外国からの歳入を管理する「外国歳入庁」の新設を改めて表明している。外国為替市場では、米ドルが各国通貨に対し急落した。オフショア人民元は一時、昨年12月中旬以来の元高水準を付けている。
　内部環境も良好。中国で20日公表された実質的な政策金利となる1月の最優遇貸出金利「ローンプライムレート（LPR）」は予想通り据え置かれたが、金融緩和の期待感は根強い状況だ。春節（旧正月）の大型連休を前に、当局は近く預金準備率を引き下げるとの観測も続いている。
　こうした中、本日の香港・本土マーケットは買いが先行しそうだ。市場が警戒していた「トランプ関税」に関し、発動が見送られたことを好感しよう。貿易戦争を回避し、対話に軸足を移す方向と分析されている。トランプ氏は就任式前の17日、習近平・国家主席と電話会談を実施。トランプ氏は会談について、両国にとって非常に良い内容だったと述べている。また、就任式に出席するため訪米中の韓正・副主席は19日、バンス次期副大統領や次期政権の重要メンバーでテスラ社のトップを務めるイーロンマスク氏と相次ぎ会談した。


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