◆3日の香港マーケットは、内外環境の不透明感で神経質な値動きか。(亜州リサーチ編集部)
　外部環境はややネガティブ。2日の米株市場は、主力ハイテク株の下げが全体相場の重しとなる展開だった。主要指標のNYダウが前営業日比0.4％安と4日続落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.2％安と5日続落している。アップルは中国で、異例となる新型「iPhone」の値引き販売を開始。販売競争の激化と利益率の悪化が懸念され、同社株は2.6％下落した。テスラは2日、2024年の電気自動車（EV）世界販売が前年比で1％減少したと発表。初めて前年実績を割り込んだことが失望を呼び、同社株は6.1％安と急落した。米10年債利回りの高止まりもマイナス材料。労働市場の堅調を受け、米連邦準備理事会（FRB）は利下げペースを落とすとの見方が続いた。米労働省が2日公表した新規失業保険申請件数（週間）は、予想に反し前週から減少。8カ月ぶりの低水準となった。
　中国銘柄もさえない。中国企業のADR（米国預託証券）で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数（HXC）は1.5％安と反落した。主要な香港との重複上場銘柄では、ビリビリ（BILI/NASDAQ、9626/HK）が5.4％安、小鵬汽車（XPEV/NYSE、9868/HK）が2.6％安、百度（バイドゥ：BIDU/NASDAQ、9888/HK）が1.9％安と下げが目立っている。
　商品相場は、WTI原油先物が2.0％高と4日続伸し、金先物は1.1％高と続伸。ロンドン金属取引所（LME）は、年末年始の休場が続いた。
　内部環境も不透明。中国人民銀行（中央銀行）は昨年12月、預金準備率の年内引き下げを示唆していたが、年末までに実施されなかった。市場関係者の一部からは、トランプ次期米大統領が今月20日に就任するため、政策の余地を残したとの指摘がある。また、全国人民代表大会（全人代、国会に相当）は3月5日に開幕。それまでは重要な政策の発表はないとの見方もある。中国景況感の悪化も不安材料。2日に報告された2024年12月の財新中国製造業PMI（民間集計）は50.5となり、予想（51.7）外に前月（51.5）から低下した。
　こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。前日の相場が中国景況感の悪化で急落したため、自律反発狙いの買いは入りそうだが、内外環境の不透明感で上値も重そうだ。


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