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2025/02/20 08:56

上値の重い展開か、好悪材料が交錯 無料記事

◆20日の香港マーケットは、好悪材料が入り混じる中で上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は中立。好材料と悪材料が混在している。19日の米債券市場で、米10年債利回りが低下したことはプラスだ。米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨(1月28〜29日開催分)では、連邦準備理事会(FRB)がバランスシートの縮小(量的引き締め)を減速もしくは一時停止を検討していることが判明。緩和的な方針転換の可能性が材料視された。半面、「トランプ関税」の警戒感がくすぶっていることはマイナス。トランプ米大統領は18日、4月2日に公表する輸入自動車に対する関税は、現状の10倍となる約25%くらいになるだろうと発言。また、半導体や医薬品にも追加関税を課す考えを示した。
 19日の米株市場は、一時下げる場面がみられたものの、全体としてはしっかり。主要指標のNYダウが前日比0.2%高と続伸し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.1%高と5日続伸している。機関投資家がベンチマークとして重視するS&P500指数は0.2%上昇し、連日で史上最高値を更新した。
 中国銘柄はさえない。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は0.4%安と続落した。主要な香港との重複上場銘柄では、微博(ウェイボー:WB/NASDAQ、9898/HK)が3.1%安、ビリビリ(BILI/NASDAQ、9626/HK)が2.4%安、百度(バイドゥ:BIDU/NASDAQ、9888/HK)が2.3%安と下げが目立っている。
 商品相場は、WTI原油先物が0.6%高と続伸する一方、金先物が0.4%安と反落している。ロンドン金属取引所(LME)では、銅が下げる一方、アルミが上昇するなど主要産品の値動きがまちまちだった。
 内部環境も悪くない。習近平・国家主席が17日、民営企業の創業者や経営トップの座談会を開催したことで、市場では「中国当局によるテック業界に対する締め付けが終了する」との見方が浮上している。UBSは最新リポートで、今回の会議はテック産業と民間部門が今後の経済成長をけん引する重要な役割を果たすことを示していると指摘した。足元ではアナリストが相次いで、中国株マーケットの強気論を展開している。
 ただ、不安材料もある。中国商務部の最新統計(19日発表)によれば、2025年1月の外資利用額(FDI、実行ベース)は、前年同月比13.4%減の975億9000万人民元(約2兆337億円)に縮小した。減少率は24年通期の27.1%から縮小したものの、2ケタのマイナスが続いている。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体と上値の重い展開か。米長期金利の低下や中国の政策に対する期待感などは支えだが、米国の関税政策や外資の中国投資減速が不安材料だ。


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